植物防疫ニュース(速報 No.8) 平成20年10月3日
栃木県農業環境指導センター
いちごのハダニ類はマルチ前までに防除を徹底しましょう
 いちごに寄生するハダニ類は、9月中旬の巡回調査では、発生ほ場率、寄生株率ともに平年より高く(表1)、一部に激発しているほ場も見られました。
 気象予報によると、向こう1か月の平均気温は、高いと予想されており、ハダニ類の増殖に好適な条件が続くと考えられます。
 いちごのハダニ類による被害を防ぐためには、発生初期の対策が重要であることから、マルチ前までに防除を徹底しましょう。
 
 表1 いちごにおけるハダニ類の発生状況
  発生ほ場率(%)  寄生株率(%)
県北 11.1   0.9  
県中 35.5   6.1  
県南 30.4   6.4  
県平均 27.8   4.9  
平年値 11.5   2.8  
※ 県内72ほ場(1ほ場25株)で見取り調査を実施
  平年値:過去10年間の平均値
 
防除対策
ハダニ類の移動が少ない発生初期に、気門封鎖系薬剤をスポット散布して拡大を防ぐ。
マルチ前の下葉かきは、ハダニ類の密度を低下させるのに有効である。
マルチをするとハウス内の湿度が下がりハダニ類が増殖しやすくなるため、マルチ前の下葉かきにあわせて葉裏によくかかるように薬剤散布する。
スパイカルEX等の天敵農薬は、薬剤等でハダニ類の密度を下げてから使用する。
 
 表2 いちごのハダニ類に登録のある主な薬剤(平成20年10月2日現在
薬 剤 名 希釈倍数・使用量 使用時期/使用回数
粘着くん液剤[野菜類]  100倍 収穫前日まで/−   
ダニサラバフロアブル 1000倍 収穫前日まで/2回以内
マイトコーネフロアブル 1000倍 収穫前日まで/2回以内
カネマイトフロアブル 1000〜
1500倍
収穫前日まで/1回以内
スパイカルEX
[野菜類(施設栽培)]
100〜300ml/10a
(約2000〜6000頭)
発生初期  /−   
 
※ − は使用回数に制限がないことを示す
  注意すべき点
薬剤の散布にあたっては、ミツバチに対する安全日数を考慮して使用する。
ハダニ類の薬剤抵抗性の発達を防ぐため、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
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