平成20年度病害虫発生予察特殊報第1号 
平成20年10月14日
栃木県農業環境指導センター
   オオムギ縞萎縮病ウイルス(BaYMV)W型系統


病原ウイルス:Barley yellow mosaic virusBaYMV)W型系統
作物名:二条大麦
発生経過
 平成17年4月、大田原市南金丸のほ場においてBaYMVのT〜V型系統に対する抵抗性を持つ「サチホゴールデン」にオオムギ縞萎縮病に特有な病徴がわずかに確認された。そこで、エライザ法によって検定した結果、BaYMVの感染を確認した。
 さらに今年、この感染を引き起こしたウイルスの塩基配列を宇都宮大学の西川らが解析した結果、T〜V型系統と異なるW型であることが確認された。
病 徴

 新葉に退緑斑点が現れ、それが黄白色になり縞状になる。分げつは不良で、株は萎縮する。品種により葉の黄変が上位葉に及んで株全体が、枯死することもある。ウイルスの系統による病徴の違いはない。
5 感 染
 ウイルスを保毒した土壌中のポリミキサ(Polymyxa graminisが大麦の根に寄生することにより感染がおこる。ウイルスに汚染した土壌は数年間にわたって感染源となる。
6 発生状況
   大田原市南金丸のほ場以外でのW型の発生は確認されていない。
7 各品種とBaYMV系統の関係
 
    BaYMV系統
  品    種  T  U  V  W  抵抗性遺伝子
サチホゴールデン  ○  ○  ○  × rym3
あまぎ二条  ×  ○  ×  × rym6
なす二条  ×  ○  ○  × 不明
ミカモゴールデン  ○  ○  ×  ○ rym5
スカイゴールデン  ○  ○  ○  ○ rym3 ,rym5
○:抵抗性 ×:罹病性

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