植物防疫ニュース(速報 No.2)      平成21年6月5日
  栃木県農業環境指導センター
イネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率が高い地域があるので
縞葉枯病の発生に注意しましょう!
 昨年度は県南部を中心に約20年ぶりにイネ縞葉枯病の発生が多くなりました。
 5月下旬から6月上旬に麦ほ場から採取したヒメトビウンカ第一世代幼虫のイネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率検定を実施した結果、保毒虫率が県南部で高い地域があり、藤岡町蛭沼では13%でした(表・図1)。越冬世代幼虫の調査では小山市下国府塚や茨城県筑西市内に保毒虫率が10%を超える地域が確認されています(参考資料1,2)。
 現在、保毒虫率の高い地域は県南部が中心ですが、今後は分布の拡大が懸念されます。地域の縞葉枯病発生状況や予察情報に注意を払いましょう!
 
‐発生状況の監視を強化する-
 地域のイネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率が高い場合、@抵抗性品種の「あさひの夢」作付やA有効な箱施用の施用の対策をしていないほ場では6月中旬以降「ゆうれい症状」が目立ってきます。出穂期以降、「穂の出すくみ」を含む縞葉枯病発生株率が10%を超える場合、来年度の対策が必要です(参考資料3)。
 
表・図1 ヒメトビウンカのイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫率検定結果
  調査地点 検定虫数
  (頭)
保毒虫率
 (%)
芳賀町稲毛田   62   0.0
真岡市飯貝    7   0.0
真岡市桑の川   38   2.6
真岡市程島   43   2.3
宇都宮市芦沼町   63   0.0
宇都宮市岩曽町   55   0.0
宇都宮市茂原町   83  1.2
鹿沼市楡木町  100   0.0
下野市小金井   29   6.9
小山市大本   61  1.6
小山市小袋   46   2.3
壬生町助谷   75   0.0
栃木市大塚町  100   0.0
藤岡町蛭沼  100 13.0
佐野市小中町   39   2.6
足利市高松町  100   0.0
*調査方法:5月25日〜6月2日に県内の
麦畑からヒメトビウンカ幼虫を採取し、エライザ法により検定した。

参考資料
 1)平成20年度植物防疫ニュース(速報No.9)
 2)平成21年度茨城県病害虫情報NO.2
 3)防除対策のポイントNO.15(イネ縞葉枯病に注意しましょう)
 
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012