植物防疫ニュース(速報 No.3)
 
平成21年6月11日
栃木県農業環境指導センター
なし黒星病の発生に注意しましょう!
 巡回調査の結果、県中南部でのなし黒星病の発生ほ場率が60〜71%、発生葉率
が0.8〜3.1%と高くなっています(表1、図1)。気象予報によると、向こう
1ヶ月は平年と同様に曇りや雨が多い見込みで、今後の発生増加が予想されます。
 特に、幸水は果実肥大後期の7月上旬から黒星病の感受性が高くなるので、降雨が
頻繁で果実での発生が予想される場合には、わずかの晴れ間、または小雨でも薬剤散
布を実施しましょう。
表1 発生状況(6/11・12現在調査)


発生ほ場率 発生葉率
(%) (%)
県 北 14 0.2
県 中 60 0.8
県 南 71 3.1
県全体 52 1.2
過去10年 28 0.5
の平均値
図1 なし黒星病発生状況
※発生葉率:×0%、△0.1〜5%、
 ▲5.1〜15%、●15.1%以上
【防除対策】
(1)発病した果そう基部、葉、果実は二次伝染源になるため、見つけ次第ほ場外に
  持ち出し、埋設等処分を行う。
(2)現在、葉に発病が多いほ場では、治療効果の期待できるストロビードライフロ
  アブル等を6月中旬から7月中旬に追加して散布する(表2)。
(3)黒星病は感染後、発病までに15日程度の潜伏期間があるため、現在発病した
  葉や果実が見つからなくても、常になしを観察し、発生があった場合は初期防除
  を徹底する。
表2 なし黒星病に登録のある主な防除薬剤(6月中旬〜7月中旬)
  薬   剤   名   希 釈 倍 数  使用時期/使用回数
ストロビードライフロアブル 3,000倍 収穫前日まで/3回以内
ナリアWDG 2,000倍 収穫前日まで/3回以内
ベルクートフロアブル 1,500倍 収穫14日前まで/4回以内
オキシラン水和剤 500〜600倍 収穫7日前まで/9回以内
キノンドーフロアブル 1,000 収穫3日前まで/9回以内
注1)オキシラン水和剤とキノンドーフロアブルは有効成分として有機銅を含むため
   両薬剤の使用回数はあわせて9回以内とする。
注2)薬剤散布に当たっては周囲への飛散(ドリフト)に十分注意する。
注3)平成21年6月10日現在の農林水産消費安全技術センターの農薬登録情報に基
   づいて作成しています。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
TEL028−626−3086
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/