平成21年度 病害虫発生予報 第2号
平成21年5月22日
栃木県農業環境指導センター
○高温により害虫の発生が早まっています!
○ハウス栽培は栽培終了時に蒸しこみを行い害虫を駆除しましょう!
予想期間5月下旬〜6月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 水稲 いもち(葉いもち)
(1)発生予想 発生時期:やや早い  発生量:やや少ない
(2)根  拠
 
今後の気象予報では気温は高く、降水量はやや多く、発生にやや適している。(±〜+)
箱施用剤の普及により、近年の発生量は少ない。(−)
(3)対  策 取り置き苗は発生源になりやすいので早急に処分する。

 
窒素肥料の多施用はは発生を助長する。堆肥の過剰施用で多発しているほ場が見受けられるので注意する。
発生が見られた場合は、早急にアミスターエイト、カスラブサイドゾルなど予防・治療効果のある薬剤を散布する(本県の平年初発時期は6月第5半旬頃)。
(4)備  考 平均気温が20℃前後で弱い連続降雨のあるときが感染の好適条件となるため、常発地では特に注意する。
アメダスデータを利用した感染好適日(BLASTAM)の情報を6月から当センターホームページに掲載予定。
2 水稲 縞葉枯病 (芳賀地区南部を含む県南部)
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠
昨年の発生量はやや多い。(+)
下都賀地区および茨城県西部でヒメトビウンカの越冬世代保毒虫率が高い。(+)
(3)対  策 地域の発生状況、発生情報に注意を払う。
普通植のコシヒカリなど縞葉枯病耐病品種以外の品種では箱施用剤を使用する。
防除対策のポイントNo.15(イネ縞葉枯病に注意しましょう)を当センターホームページに掲載中。
3 いちご(親株) ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠
 
前作の発生量は多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、発生に適している。(+)
(3)対  策
 
ランナー発生数が増加する前に防除を徹底する。コロマイト水和剤、アファーム乳剤などを葉裏にも良くかかるように散布する。
本ぽ終了時の残さは適切に処理し、親株への拡散や次作への持ち越しを防ぐ。
4 トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:やや多い 
(2)根   拠 現在の発生量は平年並。(±)
今後の気象予報では気温は高く、発生に適している。(+)
(3)対  策 生育に応じて葉かきを実施し、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は、ビニル袋などで密封してから処分するか土中に埋める。
タバココナジラミが発生しているほ場では、スタークル(アルバリン)顆粒水溶剤、ベストガード水溶剤、サンマイトフロアブルなどをローテーション散布する。

 
栽培終了時には、野外にタバココナジラミを飛散させないため、断根後40℃以上で継続した晴天日3日以上蒸し込みを行う。
夏秋トマトの定植時に粒剤を施用する。
(4)備  考 蒸し込み時の過度な高温は、施設内の器具を傷めることがあるので注意する。
5 野菜・花き アザミウマ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 青色粘着板の誘殺数はやや多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、発生に適している。(+)
(3)対  策



 
雑草はアザミウマ類の増殖源になるので、ほ場内外の雑草防除を行う。
定植時に粒剤を施用する。

 
施設栽培では、紫外線カットフィルムを被覆したり、施設開口部に防虫ネットを張ることにより、アザミウマ類の侵入を防ぐ。
栽培終了時には、ハウスを密閉して蒸し込みを行い、死滅させる。
(4)備  考 アザミウマ類はウイルス病(きゅうり黄化えそ病:MYSV、ニラえそ条斑病:IYSV、キク茎えそ病:CSNVなど)を伝搬するので、早めに防除することが重要である。
6 なし 黒星病
(1)発生予想 発生時期:やや早い 発生量:平年並 
(2)根   拠 現在の発生は平年並。(±)
今後の気象予報では平均気温は高く、降水量はやや多く、発生にやや適している。(±〜+)
(3)対  策 芽基部病斑は摘み取る。
芽基部病斑上の胞子形成抑制のためEBI剤、デランフロアブル、サニパー、ベルクートフロアブルなどを散布する。
(4)備  考 昨年多発した園では、防除を徹底する。
EBI剤・EBI混合剤は耐性菌の発生を防止するため、合わせて年2回以内の使用とする。
7 なし カメムシ類
(1)発生予想 発生時期:やや早い 発生量:やや多い 
(2)根   拠 フェロモントラップへの誘殺時期がやや早く、誘殺数は平年並。(±)
向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+)
(3)対  策 4mm目以下の多目的防災網を被覆し、園内への侵入を防ぐ。
園内での発生を認めたら、スミチオン水和剤40、MR.ジョーカー水和剤などを散布する。
8 その他の病害虫
現 況 発生予想 現 況 発生予想
小 麦 赤かび病 平年並 平年並 きゅうり 褐斑病  多   多
水 稲 イネミズゾウムシ やや少 やや少 コナジラミ類 平年並 やや多
ニカメイガ やや多 やや多 野菜類 ハスモンヨトウ 平年並 やや多
カメムシ類  少 平年並 アブラムシ類 やや多 やや多
トマト 灰色かび病  多   多 果 樹 ナシヒメシンクイ 平年並 やや多
葉かび病 やや多   多 モモシンクイガ  少 平年並
    き く ハダニ類  多   多
○斑点米カメムシ類対策は、除草が基本です
水田内や水田周辺の雑草は、斑点米カメムシ類の発生源や本田内へ侵入するための中継点になりますので、除草を行うなど、カメムシ類の生息しにくい環境をつくり、斑点米の発生を防ぎましょう。
・ホームページの「病害虫防除対策のポイントNo.14」を参照してください。 
農薬を上手に使いこなしましょう!
ミツバチやマルハナバチに対する安全日数を目安に薬剤を選択する。
農薬を散布する場合には、周辺住民に周知を図り、散布の時間帯に十分注意する。 
1か月気象予報(予報期間5月16日から6月15日 5月15日気象庁発表)
 関東甲信地方の天気は数日の周期で変わるでしょう。 週別の気温は、1週目は高い確率50%、2週目は高い確率60%です。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 10% 30% 60%
○降水量 30% 30% 40%
○日照時間 40% 30% 30%
NEWS & INFORMATION




 
県では、農薬による事故等の発生防止を図るため、6月から8月の3か月間を「農薬危害防止運動期間」とし、農薬に適正使用等について啓発活動を行います。運動の一環として、6月18日(木)13時30分からとちぎ男女共同参画センター(パルティ)において、農薬使用時の事故防止等をテーマに「栃木県農作業事故防止研修会」を開催します。詳しくは農政部経営技術課環境保全型農業担当までお問い合わせください。Tel(028)623-2286
「平成21年度 農作物等病害虫雑草防除の手引き」のお求めは社団法人 栃木県植物防疫協会
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