平成21年度 病害虫発生予報 第6号
平成21年9月18日
栃木県農業環境指導センター
○ハスモンヨトウの侵入に引き続き注意しましょう(県中南部)!
○イネ縞葉枯病予防のため、早めに秋耕しましょう!
予想期間9月下旬〜10月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 いちご・野菜類  ハスモンヨトウ
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠 現在の発生量はやや少ないが、フェロモントラップによる誘殺数はやや多い(県中南部)。また大豆ほ場での発生量は平年並。(±)
向こう1か月の降水量は少ない見込みで、増殖に適している。(+)
(3)対  策 施設栽培では、開口部に寒冷紗等を張り、侵入を防ぐ。
定期的にほ場をよく観察して早期発見に努め、発生を確認した卵塊や分散前の幼虫は寄生葉とともに摘み取り、土中に埋める。
幼虫は齢期が進むと薬剤が効きにくくなるので、発生初期に薬剤を散布する。
(4)備  考 「植物防疫ニュース(速報 No.7)ハスモンヨトウの侵入に引き続き注意しましょう(県中南部)!」を発表しました。
2 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠 現在の発生量はやや多い。(+)
向こう1か月の平均気温は平年並の見込みで、発生に好適な条件となっている。(+)
(3)対  策



 
軟弱徒長すると発生が多くなるので、適正な肥培管理を行う。
うどんこ病が発生しやすい時期なので、病徴が見えない場合でも、この時期にタフパール、ハーモメイト水溶剤等で予防する。
発生が見られる場合はEBI剤、ストロビーフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。
(4)備  考 育苗期に発生が見られた場合は、ほ場内に菌を持ち込んでいる可能性が高いので特に注意する。
タフパールは微生物農薬であるため、他の殺菌剤との混用を避ける。
3 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量はやや多い。(+)
向こう1か月の降水量は少ない見込みで、増殖に適している。(+)
(3)対  策 葉裏をよく観察し、発生がみられたら、早めに気門封鎖系薬剤をスポット散布して拡大を防ぐ。
マルチをする前の下葉かきにあわせてテデオン乳剤、アファーム乳剤等を散布する。
スパイカルEX等の天敵農薬を使用する場合は、放飼前に必ず防除を行い発生密度を低下させる。
4 トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:やや多い 
(2)根   拠 現在の発生量は平年並。(±)
向こう1か月の平均気温は平年並の見込みで、発生にやや適している。
(±〜+)
(3)対  策 ほ場周辺の除草を徹底する。
タバココナジラミはトマト黄化葉巻ウイルスを媒介するので、施設の開口部に目合0.4mm以下の防虫ネットを張り侵入を防ぐ。光反射シートや近紫外線カットフィルムも効果がある。
育苗期、定植時にベストガード粒剤、スタークル粒剤(アルバリン粒剤)を使用する。
(4)備  考 近紫外線カットフィルム、粒剤は、マルハナバチに影響があるので注意する。
 
5 きく ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠 現在の発生量は多い。(+)
向こう1か月の降水量は少ない見込みで、増殖に適している。(+)
(3)対  策 下葉や葉裏に多く発生するので、その部分に薬剤がよくかかるように散布する。生育初期から防除することでその後の発生密度を抑制できる。
葉裏をよく観察し、発生が認められたら、気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、コロマイト水和剤[適用害虫:ナミハダニ]、ダニサラバフロアブル<適用作物:花き類・観葉植物>等を散布する。
 その他の病害虫
現 況 発生予想 現 況 発生予想
いちご アブラムシ類 平年並 やや多 にら さび病 平年並  
なす ハダニ類 平年並 平年並 ねぎ さび病 平年並 平年並
アザミウマ類 平年並 平年並 黒斑病 平年並 平年並
きゅうり べと病 やや少 葉茎菜類 オオタバコガ やや少 平年並
アザミウマ類 やや多  多 くり クリシギゾウムシ やや少
にら 白斑葉枯病 やや少 きく 白さび病 少  
○イネ縞葉枯病、黄萎病
再生稲での発生は次年度の伝染源になるので、早めに秋耕を行う。
○コムギ縞萎縮病
農林61号、タマイズミは罹病しやすいため、イワイノダイチや六条大麦に作付転換を行う。
土壌感染を防止するため、作業順序に気を配り、作業機の洗浄に心がける。
排水対策を行う。特に湿田および基盤整備を行ったほ場では、暗きょ等の積極的な対策を行う。
早播きすると発生しやすいので適期には種する。
○なし黒星病
病原菌は、芽や落葉で越冬し翌年の発生源となるので、収穫終了後は必ず薬剤散布を行い、園内外の落葉を集めて適切に処分する。
農薬を上手に使いこなしましょう!
ミツバチやマルハナバチに対する安全日数を目安に薬剤を選択しましょう。
農薬を散布する場合には、周辺の人や農作物等にかからないように十分注意し、周辺住民に周知を図るとともに散布の時間帯にも気を配りましょう。
農薬を使用する場合は必ず農薬容器のラベルをよく読み、使用方法・使用上の注意事項を守りましょう。
1か月気象予報(予報期間9月12日から10月11日 9月11日気象庁発表)
 関東甲信地方の天気は、数日の周期で変わるでしょう。週別の気温は、1週目は低い確率50%です。 
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 30% 40% 30%
○降水量 40% 30% 30%
○日照時間 30% 40% 30%
NEWS & INFORMATION
「栃木県農薬管理指導士」養成研修会が11月10日、11日にとちぎ男女共同参画センター(パルティ)において開催されます。詳しくは農政部経営技術課環境保全型農業担当までお問い合わせください。Tel(028)623-2286
各種トラップにおける害虫の誘殺数のグラフは、当センターホームページに掲載しています。
当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012