平成21年度 病害虫発生予報 第11号
平成22年2月19日
栃木県農業環境指導センター
○曇りや雨の日が多くなります。灰色かび病の発生に注意しましょう!
予想期間2月下旬〜3月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量は多い。(+)
向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生にやや適している。(±〜+)
(3)対  策


 
スパイデックス[適用作物:野菜類(施設栽培)]等の天敵農薬を使用する場合は、放飼前に必ず防除を行い発生密度を低下させる。
発生が見られた場合、下葉かきを行い発生密度を下げ、サンクリスタル乳剤[適用作物:野菜類]等の気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、ダニサラバフロアブル、マイトコーネフロアブル等を葉裏にもよくかかるように丁寧にに散布する。
(4)備  考 サンクリスタル乳剤は、高温時には薬害を生じることがあるので使用を避ける。
2 いちご 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠
現在の発生量は平年並。(±)
向こう1か月の降水量は平年並もしくは多く、日照時間が少ない見込みで発病に好適となる。(+)
(3)対  策
 
ハウス内が多湿にならないように換気に注意するとともに、下葉を取り除き風通しを良くする。また、かん水は必要最小限にとどめる。
発病果実等は伝染源となるので速やかに取り除き、ハウス外で処分する。
発生の初期にジャストミート顆粒水和剤、アミスター20フロアブル等を散布する。
降雨が続いて湿度が高い場合は、ロブラールくん煙剤等の使用も効果的である。
3 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠 現在の発生量は平年並。(±)
向こう1か月の平均気温は高く、降水量が平年並もしくは多い見込みで発病に好適となる。(+)
(3)対  策

軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。
発生を予防するため、硫黄粒剤によるくん煙を行う。
発生初期にストロビーフロアブル、フルピカフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。
4 トマト 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠 現在の発生量は多い。(+)
向こう1か月の降水量は平年並もしくは多く、日照時間が少ない見込みで発病に好適となる。(+)
(3)対  策






 
ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。また、植物体表面の結露は発病を助長するため、循環扇や暖房機等を稼働し、植物体表面の結露を除去する。
咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので速やかに取り除き、ハウス外で処分する。


 
防除は予防を基本とし、暖房機を利用したボトキラー水和剤[適用作物:野菜類]のダクト内投入を行う。また発生初期に、カンタスドライフロアブル、ジャストミート顆粒水和剤等を散布する。
(4)備  考 「病害虫発生予察注意報 第1号」を発表した。 

5 トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量はやや多い。(+)
向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+)
(3)対  策




生育に応じて葉かきを実施し、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は埋設やビニール袋等で密封し枯死させてから処理する。
施設内に黄色粘着板を設置し、コナジラミ類を捕殺する。
エコピタ液剤[適用作物:野菜類]等を定期的に散布し、コナジラミ類を低密度に抑える。
コナジラミ類の発生が見られる場合は、クリアザールフロアブル、チェス顆粒水和剤、アプロードエースフロアブル等を散布する。
6 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根   拠 現在の発生量はやや少ない。(−)
向こう1か月の降水量は平年並もしくは多く、日照時間が少ない見込みで発病に好適となる。(+)
(3)対  策 ハウス内が多湿にならないよう、日中に適度な換気を行う。
発生初期に、アミスター20フロアブル、ポリオキシンAL水溶剤等を散布する。
7 きく 白さび病
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量はやや多い。(+)
向こう1か月の降水量は平年並もしくは多く、日照時間が少ない見込みで発病に好適となる。(+)
(3)対  策
軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。
発生を予防するため、硫黄粒剤によるくん煙を行う。
発生が見られる場合はEBI剤、サンヨール等を葉裏にもよくかかるように散布する。
 その他の病害虫
現 況 発生予想 現 況 発生予想
いちご アブラムシ類 平年並 やや多 きゅうり うどんこ病 平年並 やや多
コナジラミ類 平年並 やや多 アザミウマ類 やや多 やや多
トマト 葉かび病 やや少 平年並 きく ハダニ類 やや少 平年並 
うどんこ病 やや多  多 アザミウマ類 やや少 平年並
早春の病害虫防除対策
 ○いちご親株 ハダニ類

雨よけ施設はハダニ類の発生が多くなるので、定植する親株はハダニ類がついていない株を選び、施設にハダニ類を持ち込まないようにしましょう。また、ハダニ類の発生初期に殺ダニ剤を散布して防除しましょう。
1か月気象予報(予報期間2月13日から3月12日 2月12日気象庁発表)
 天気は、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう。向こう1か月の平均気温は高い確率50%です。降水量は平年並または多い確率ともに40%です。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 20% 30% 50%
○降水量 20% 40% 40%
○日照時間 40% 30% 30%
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