植物防疫ニュース(速報 No.8)
 
平成22年8月31日
栃木県農業環境指導センター
 
いちごのハダニ類の発生が平年より多く推移しています。
本ぽ定植前に防除を行い、持ち込みを防ぎましょう。
 
 8月上〜中旬のハダニ類の発生は平年と比べ多い結果となりました(表1、図1〜2)。ここ数年間、ハダニ類の発生はほぼ年間を通して、平年と比べて多いままで推移しています(表1)。
 気象予報によると、向こう1か月の平均気温は高いと予想されており、ハダニ類の増殖に好適な条件が続くと考えられます。育苗期の防除をしっかり行い、ハダニ類を本ぽへ持ち込まないようにしましょう。
 また、ハダニ類多発の原因の一つに薬剤感受性の低下が考えられます。平成20年に当センターで行った薬剤感受性検定の結果を、薬剤選定の参考にしてください(表2〜4)。
表1いちごにおけるハダニ類の発生状況










 
  発生ほ場率(%) 発生株率(%)
平成22年 32.8  6.0
平年値 19.5  4.6
平成21年 25.0  5.0
平成20年 38.7 12.0
平成19年 41.3  9.5

 
8月9〜12日に県内64ほ場(1ほ場25株)で見取り調査を実施。



 
平年値:過去10年間の平均値


 
  写真 葉裏に多発したハダニ類








 








 
   図1 ハダニ類の発生ほ場率(%)   図2 ハダニ類の発生株率(%)
防除対策
育苗期に防除を行い、本ぽへの持ち込みを防ぎましょう。
葉裏を注意深く観察し、発生を認めたら気門封鎖系薬剤をスポット散布しましょう。
発生が多くみられる場合には、効果的な薬剤を葉裏によくかかるように散布しましょう。
薬剤感受性の低下を防ぐため、異なる系統の薬剤をローテーション散布しましょう。
薬剤感受性検定
 薬剤感受性検定は、卵及び成虫に対して行いました。
 検定方法その他の詳細は、当センターホームページをご覧ください。 

 
表2 いちごのナミハダニ雌成虫に対する各薬剤の補正死虫率(%)注1)











 
表3 いちごの本ぽから採集した本種卵に対する各薬剤の補正死虫率(%)注1)








 
表4 いちごの親株および子苗から採集した本種卵に対する各薬剤の補正死虫率(%)注1
 







 
注1)補正死虫率(%)={(対照区生存虫率-処理区生存虫率)/対照区生存虫率}×100
悶虫は死亡虫に含め、逃亡虫は供試数から除外した。
注2)対照区の括弧内の値は生存虫率(%)を示す。
 
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。
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