植物防疫ニュース(速報 No.4) 平成22年7月5日
栃木県農業環境指導センター
カスミカメ類(小型の斑点米カメムシ類)が
平年より広範囲で発生しています!
 6月末のイネ科雑草地すくい取り調査では、斑点米カメムシ類成虫の頭数は少〜平年並でした(表1)。一方、カスミカメ類の発生地点率は高くなっています。
 7〜9月の平均気温は平年より高いと予報され、今後、斑点米カメムシ類の発生量が多くなるものと予想されます。
 水田周辺等の雑草管理を徹底するとともに、発生状況に応じて適切な薬剤防除を行いましょう。
 
 表1 イネ科雑草地の斑点米カメムシ類成虫の発生状況
分  類
 
発生地点率(%) 頭数(頭)
本 年 平 年 昨 年 本 年 平 年 昨 年
クモヘリカメムシ 36.7 60.4 50.0 2.1 46.7 10.2
ホソハリカメムシ 49.0 66.6 66.7 1.1 2.9 2.2
アカヒゲホソミドリカスミカメ 87.8 77.5 91.7 9.3 28.3 11.2
アカスジカスミカメ 67.3 49.9 75.0 9.4 8.7 23.3
 ※本年は6月28〜29日に49地点で20回振りすくい取り調査を実施
 ※平年値は平成12年〜21年の平均値(うち12年〜17年は7月中旬調査実施)
防除対策
○出穂期10日前までの対策

水田内にイネ科雑草(ヒエ等)の子実やホタルイの小穂が発生すると、斑点米カメムシ類を水田へ誘引するため、できるだけ早めに除草に努めましょう。
水田周辺の斑点米カメムシ類の生息密度を下げるため、地域全体で畦畔及び水田周辺の雑草地の草刈りを行いましょう。
なお、出穂期直前の除草は、斑点米カメムシ類を水田へ追い込み、被害を増大させる恐れがあることから、出穂期10日前までに草刈りを済ませましょう。
○出穂期以降の対策
穂揃期に斑点米カメムシ類が水田内で見られる場合は、乳熟初期(出穂期7〜
10日後)までに防除しましょう。
望ましい散布時期は、液剤は乳熟初期、粒剤は出穂期〜7日後までとなります。
その後もカメムシ類が見られる場合は、7〜10日間隔で1〜2回の追加散布を行いましょう。
 
 表2 水稲のカメムシ類に登録のある主な薬剤(平成22年7月1日現在
薬 剤 名 希釈倍数
又は使用量
使用時期/使用回数
スタークル1キロH粒剤
(スタークルメイト1キロH粒剤)
1s/10a
 
収穫 7日前まで/3回以内
ダントツ粒剤 3〜4s/10a 収穫 7日前まで/3回以内
スタークル液剤10
(スタークルメイト液剤10)
1000倍 収穫 7日前まで/3回以内
MR.ジョーカーEW 2000倍 収穫14日前まで/2回以内
キラップフロアブル 1000〜2000倍 収穫14日前まで/2回以内
スミチオン乳剤 1000倍 収穫21日前まで/3回以内
トレボンEW 1000倍 収穫21日前まで/3回以内
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012