植物防疫ニュース(速報 No.6 )                平成22年7月20日
                              栃木県農業環境指導センター

葉いもちの発生は全般に少ないが、一部に多発ほ場あり。
ほ場をよく観察して穂いもち防除を行いましょう。
 
 7月上・中旬の県全体の葉いもちの発生は少ないが(表1)、一部山際の葉色の濃いほ場で
ずりこみ症状が見られます。葉いもちが発生したほ場では、予防及び治療効果のある薬剤に
よる防除が必要です。
 6月第3半旬以降、いもち病の感染好適条件が県内全域に多く出現しましたが(表2・3)、
連続した好適条件(3日以上)がなかったため葉いもちは多発しませんでした。ただし、発生ほ
場ではいもち菌が広く存在するので、穂いもちへの注意が必要です。
 水稲の生育が早まっていることを考慮し、ほ場をよく観察して必要に応じて穂いもち防除を
行いましょう。
 
表1 7月上中旬の葉いもち病発生状況(発病株率)
   









注1:本年調査日は、7月上旬は6/28〜7/2、7月中旬は7/12〜7/16
注2:平年値は平成12年〜21年の調査結果の平均値
注3:7月中旬県南部の調査ほ場には、多発ほ場が含まれる 

表2 6月の葉いもち病感染好適条件の出現日数 ※「水稲いもち病発生予測システム(BLASTAM)」による






                 
表3 7月1日〜15日までの感染好適条件の判定結果
日付 那須 黒磯 大田原 塩谷 真岡 宇都宮 今市 鹿沼 小山 佐野
7/01
7/02
7/03
7/04
7/05
7/06
7/07
7/08
7/09
7/10
7/11
7/12
7/13
7/14
7/15
 ●:感染好適条件 ○:準感染好適条件 △:感染可能条件
 ※「水稲いもち病発生予測システム(BLASTAM)」による。
 ※ 7月16日以降は感染好適条件は出現していない。 
   
 表4 いもち病に登録のある主な薬剤(平成22年7月20日現在)
農薬名 希釈倍数又は使用量 使用時期及び使用回数
●粒剤
イモチミン粒剤 3kg/10a 収穫45日前まで/1回
イモチエース粒剤 3kg/10a 収穫35日前まで/1回   
●予防効果が高い剤                          
アチーブフロアブル   2000倍       収穫14日前まで/3回以内  
フジワン乳剤      1000倍       収穫45日前まで/1回   
ラブサイドフロアブル(飼料注意@) 1000〜1500倍    収穫7日前まで6回以内※1 
ビームゾル       1000倍       収穫7日前まで/3回以内  
●予防効果及び治療効果が高い剤                    
アミスターエイト    1000〜1500倍    収穫14日前まで/3回以内  
ブラシンフロアブル(飼料注意@) 1000倍 収穫21日前まで/2回以内 
カスラブサイドゾル(飼料注意@) 1000〜1500倍 穂ぞろい期まで/2回以内 
●治療効果の高い剤    
カスミン液剤      1000倍 穂ぞろい期まで/2回以内  
 注) 飼料注意@:当分の間、稲発酵粗飼料用稲に使用しないこと
       ※1:穂ばらみ期以降は4回以内
             
 
 詳しくは、農業環境指導センターhttp://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
                     п@028−626−3086