植物防疫ニュース(速報 No.7) 平成22年8月4日
栃木県農業環境指導センター
アカスジカスミカメの発生量が急増しており、
斑点米発生が懸念されます!
 7月中旬のイネ科雑草地における斑点米カメムシ類発生地点は6月下旬調査時に比べ拡大しています。発生量もすべての種類で増加し、クモヘリカメムシ、アカスジカスミカメが100頭以上すくい取られた地点もあります。なかでもアカスジカスミカメのすくい取り頭数は平年よりも大幅に多く、6月下旬調査時に比べ急増しています(表1)。
 8月以降の平均気温は平年より高いと予想され、斑点米カメムシ類の発生に好適な気象が続きます。特に、水稲に割れ籾が発生している場合は、登熟期後半にカスミカメ類による吸汁が容易になり、斑点米の被害が拡大します。
 水稲の生育状況、斑点米カメムシ類発生状況に応じた適切な防除を行いましょう。
 
 表1 イネ科雑草地の斑点米カメムシ類成虫の発生状況(20回振りすくい取り調査)
分  類
 
発生地点率(%) 頭数(頭)
7月中旬 6月下旬 平 年 7月中旬 6月下旬 平 年
クモヘリカメムシ 52.4 36.7 68.2 19.5 2.1 58.3
ホソハリカメムシ 73.8 49.0 75.5 2.8 1.1 3.3
アカヒゲホソミドリカスミカメ 92.9 87.8 76.9 13.2 9.3 30.4
アカスジカスミカメ 95.2 67.3 54.9 49.8 9.4 17.1
 ※7月中旬:7月12〜15日42地点(6月下旬:6月28〜29日49地点)
 ※平年:平成12年〜21年の平均値
防除対策
穂揃期に斑点米カメムシ類が水田内で見られる場合は、乳熟初期(出穂期7〜10日後)までに防除しましょう。
その後もカメムシ類が見られる場合は、7〜10日間隔で1〜2回の追加防除を行いましょう。
 
 表2 水稲のカメムシ類に登録のある主な薬剤(平成22年7月30日現在
薬 剤 名 希釈倍数
又は使用量
使用時期/使用回数
スタークル液剤10
(スタークルメイト液剤10)
1000倍 収穫 7日前まで/3回以内
MR.ジョーカーEW 2000倍 収穫14日前まで/2回以内
キラップフロアブル 1000〜2000倍 収穫14日前まで/2回以内
スミチオン乳剤 1000倍 収穫21日前まで/3回以内
トレボンEW 1000倍 収穫21日前まで/3回以内
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012