植物防疫ニュース(速報 No.9)
 

     平成23年1月14日

  栃木県農業環境指導センター


ウンカ類幼虫の生息密度とイネ縞葉枯病の保毒虫率について
 昨年11月下旬に調査したウンカ類越冬世代幼虫の生息密度は、全県平均で平年比622%10uあたり本年62.2頭、平年10.0頭)と高く、越冬量は多い見込みです。
 同時にヒメトビウンカ幼虫のイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫検定を実施した結果、栃木市の1地点で保毒虫率が要防除水準の10%を超えましたが、その他の地点は要防除水準未満でした(表1・図1)。
 越冬前の保毒虫率が要防除水準を超えた地域で縞葉枯病罹病性品種(コシヒカリ、なすひかり等)を作付する場合は、防除対策が必要です。その他の地域でも、ウンカ類幼虫の密度が高く昨年縞葉枯病の発生が見られた地域では、密度を下げるため防除対策を行いましょう。

表1 ウンカ類越冬世代幼虫の生息密度とイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫率





















  図1 イネ縞葉枯病保毒虫の発生状況
                  


※生息密度:背負型動力機を使用した吹出し法で0.3m×11mのウンカ類幼虫を採集し、10u当り頭数に換算した。
※保毒虫率:11月下旬に予察ほまたは周辺水田の再生稲または畦畔雑草から採集したヒメトビウンカ幼虫をエライザ法により検定した。‐:検定頭数10頭未満 空欄はデータなし。
※イネ縞葉枯病の要防除水準:越冬世代幼虫の保毒虫率が10%以下の地域では防除の必要はない。
                  
【防除対策】
○ヒメトビウンカは畦畔等の雑草地で越冬するため、ほ場周辺の除草等により越冬場所をなくす。耕起していないほ場は速やかに耕起を行う。
○縞葉枯病抵抗性品種「あさひの夢」の作付割合を増やす。
○罹病性品種(コシヒカリ、なすひかり等)を作付する場合は、ダントツ箱粒剤、アドマイヤー箱粒剤またはこれらを含む混合箱施用剤を使用する。
※プリンス粒剤は、ヒメトビウンカの感受性が低下している地域があるため、罹病性品種への使用を避ける。
 

 詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
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