平成22年度 病害虫発生予察注意報 第1号
平成22年6月25日
栃木県農業環境指導センター
 作物名 :なし
 病害虫名:黒星病
1 発生予想 発生量 多い 
2 発生地域 県内全域
3 注意報発表の根拠
 (1)

 
6月上中旬の巡回調査の結果、発生ほ場率は60.0%(平年27.0%)、発病葉率は0.6
%(平年0.5%)で、平年に比べ県内全域で黒星病の発生ほ場が多くみられた(図
1、2、3)。
 (2) 病害虫防除員の報告によると、一部で多発ほ場があった。
 (3) 気象予報によると、向こう1ヶ月は平年と同様に曇りや雨が多い見込みで、今後の
発生増加が予想される。











 







































図3 黒星病の発生状況
発生葉率(%) 0 0.1〜5 5.1〜15 15.1以上
記 号 ×
4 防除対策
(1)発病した果そう基部、葉、果実は二次伝染源になるため、見つけ次第ほ場外に持
  ち出し、土中に埋める等適正に処分する。
(2)幸水は果実肥大後期の7月上旬から黒星病の感受性が高くなるので、降雨が頻繁
  で果実での発生が予想される場合には、わずかの晴れ間、または小雨でも薬剤散布
  を実施する。
(3)現在、葉に発病が多いほ場では、治療効果の期待できるストロビードライフロア
  ブル、ベルクートフロアブル等を6月下旬から7月中旬に追加して散布する(表1)。
(4)黒星病は感染後、発病までに15日程度の潜伏期間があるため、現在発病した葉
  や果実が見つからなくても、常になしを観察し、発生があった場合は初期防除を速
  やかに行う。
表1 なし黒星病に登録のある主な防除薬剤(6月下旬〜7月中旬)
  薬   剤   名   希 釈 倍 数  使用時期/使用回数
ストロビードライフロアブル 3,000倍 収穫前日まで/3回以内
ナリアWDG 2,000倍 収穫前日まで/3回以内
ベルクートフロアブル 1,500倍 収穫14日前まで/4回以内
オキシラン水和剤 500〜600倍 収穫3日前まで/9回以内
キノンドーフロアブル 1,000倍 収穫3日前まで/9回以内
注1)オキシラン水和剤とキノンドーフロアブルは有効成分として有機銅を含むため両
   薬剤の使用回数はあわせて9回以内とする。
注2)薬剤散布に当たっては周囲への飛散(ドリフト)に十分注意する。
注3)平成22年6月23日現在の農林水産消費安全技術センターの農薬登録情報に基づい    て作成している。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
TEL028−626−3086
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/