平成22年度 病害虫発生予察注意報 第3号
平成22年9月22日
栃木県農業環境指導センター
 作物名 :野菜類、花き類、だいず
 病害虫名:ハスモンヨトウ
 
1 発生量  多い
2 発生地域 県内全域
3 注意報発表の根拠
 (1)
 
9月上〜中旬に行った調査では、幼虫がだいず、キャベツ、きゅうり、ねぎ、いちご、なすで多発していた(表1)。
 (2) 県内6地点に設置したフェロモントラップにおける9月第2半旬(6〜10日)の誘殺数(雄成虫)は、全県平均で平年値に比べ3.3倍と多く、最も高い地点で
7.4倍、最も低い地点で0.9倍であった。
 (3)
多発の原因は夏季に気温が高く、雨が少なかったためと考えられ、気象予報(9月17日発表)によると、向こう1カ月の平均気温は平年より高い見込みで、今後も増殖に適した気象である。
 
表1.ハスモンヨトウ幼虫の発生状況
調査品目
 
発生ほ場率(%) 発生株率(%)1) 調査日・ほ場数
 
H22 平年値2) H22 平年値2)
だいず 83.3 39.2 ―― ―― 9月13〜14日・30ほ場
キャベツ 71.4 17.5 ―― ―― 9月 8〜 9日・ 7ほ場
きゅうり 28.6 10.9 2.7 0.2 9月 7〜10日・10ほ場
ねぎ 23.5 0.0 0.9 0.0 9月 6〜 9日・17ほ場
いちご 23.3 11.7 1.5 0.9 9月 6〜10日・60ほ場
なす 22.2 12.2 2.9 0.3 9月 6〜10日・ 9ほ場
1)各ほ場で、いちごでは25株、なす、ねぎでは50株、きゅうりでは100葉(25株)で見取り調査を実施。なお、キャベツ、だいずでは発生株率の調査はしていない。
2)平年値は過去10年の平均値。
4 防除対策
 (1)
野菜類・花き類とも育苗期間や定植直後に加害されると被害が大きいため、定期的にほ場をよく観察して早期発見に努め、発生を確認した卵塊や分散前の幼虫は寄生葉とともに摘み取り処分する。
 (2) 発生が見られた場合、薬剤を葉裏によくかかるよう丁寧に散布する。
 (3) 幼虫は齢期が進むと薬剤の効果が低下するので、発生初期に薬剤を散布する。
 (4) 施設栽培では、開口部に防虫ネット等を張り、成・幼虫の侵入を防ぐ。また、葉の裏だけでなく、鉄骨パイプ等の資材に産卵することもあるため、卵塊を発見した場合には、つぶして除去する。
 (5) ほ場周辺の雑草は発生源となるため、雑草管理を徹底する。
 
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
TEL028−626−3086
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