平成22年度 病害虫発生予報 第3号 |
平成22年6月25日 |
栃木県農業環境指導センター |
○なしの黒星病の多発が懸念されます。 ○いちごの親株でハダニ類の発生が多いので、採苗前に防除しましょう。 |
予想期間6月下旬〜7月下旬 | |
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 水稲 いもち病(葉いもち) | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 |
・ |
BLASTAMでは、黒磯、大田原、塩谷、真岡、小山の5ヶ所で、葉いもち病感染好適日数が平年値を上回っている(6月24日現在)。(+) |
・ |
向こう1カ月の平均気温は高く、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みで発生に適している。(+) | |
・ | 病害虫防除員の報告では、発生はやや少ない。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ |
発生が見られた場合は、早急にアミスターエイト、カスラブサイドゾル等予防・治療効果のある薬剤を散布する(平年初発時期は6月第5半旬頃)。 |
(4)備 考 |
・ |
平均気温が20℃前後で弱い連続降雨のあるときが感染の好適条件となるため、常発地では特に注意する。 |
・ | BLASTAMを、当センターホームページに掲載。 |
2 水稲 縞葉枯病 (県南部) | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 |
・ | 下都賀地区で6月第5半旬に縞葉枯病の発生が見られている。(+) |
・ |
本田すくい取り調査の結果、すでに本田へのヒメトビウンカ成虫(縞葉枯病ウイルスの媒介昆虫)の飛び込みが確認され、幼虫が確認されたほ場もあった。(+) | |
(3)対 策 |
・ |
縞葉枯病に抵抗性のない品種(コシヒカリ、なすひかり等)では、縞葉枯病の地域の発生状況、発生情報に注意を払い、ほ場を良く観察する。 |
(4)備 考 |
・ ・ |
以下を当センターホームページに掲載中。 防除対策のポイントNo.15「イネ縞葉枯病に注意しましょう」 平成21年度植物防疫ニュース(速報No.10)「来年のイネ縞葉枯病の発生拡大が懸念されます!」 |
3 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生量はやや多い。(+) |
・ | 向こう1カ月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ |
発生が多い場合、採苗前にマイトコーネフロアブル、コロマイト水和剤等を葉裏にも良くかかるように散布する。 |
・ |
苗による本ぽへの持ち込みを防ぐため、発生が見られる場合には、育苗初期から防除する。 |
4 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生量は平年並。(±) |
・ |
向こう1カ月は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 親株で発生したほ場では、育苗時にも防除を行う。 |
・ |
高温期には病徴が見えにくくなるが、サンヨール、タフパール[適用作物:野菜類]等で薬剤防除を行い、以後定期的に予防散布を行う。 | |
(4)備 考 | ・ | タフパールは微生物農薬であるため、他剤との混用に注意する。 |
5 トマト コナジラミ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 |
・ | 夏秋トマトでの現在の発生量はやや多い。(±〜+) |
・ | 向こう1カ月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ |
生育に応じて葉かきを行い、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は、ビニル袋などで密封してから処分するか土中に埋める。 |
・ |
タバココナジラミが発生しているほ場では、モスピラン水溶剤、アプロードエースフロアブル、ベストガード水溶剤等をローテーション散布する。 | |
・ |
冬春トマト栽培終了時には、施設外にコナジラミ類を飛散させないため、断根後40℃以上で継続した晴天日3日以上蒸し込みを行う。 | |
(4)備 考 | ・ | 蒸し込み時の過度な高温は、施設内の器具を傷めることがあるので注意する。 |
6 なし 黒星病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生は多い。(+) |
・ |
向こう1カ月の平均気温は高く、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みで発生にやや適している。(±〜+) | |
(3)対 策 |
・ |
発病葉および発病果は伝染源となるので速やかに取り除き、ほ場外で処分する。発生が多いほ場では、治療効果の高いストロビードライフロアブル、ベルクートフロアブル等を散布する。なお、降雨が続くときは薬剤の散布間隔を短くする。 |
(4)備 考 |
・ |
EBI剤・EBI混合剤は耐性菌の発生を防止するため、合わせて年2回以内の使用とする。 |
・ | 幸水は果実肥大後期の7月上旬から黒星病の感受性が高まるので注意する。 |
7 なし カメムシ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 |
・ | トラップ類への誘殺数は平年並。(±) |
・ |
今後の気象予報では気温は高く、降水量は平年並で発生にやや適している。(±〜+) | |
(3)対 策 |
・ |
園内をよく観察し、多発した場合にはMR.ジョーカー水和剤、ベストガード水溶剤等を散布する。 |
8 その他の病害虫 | |||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | ||||||
水 稲 | ニカメイチュウ(心枯れ茎) | 平年並 | やや多 | 野菜類 | アザミウマ類 | やや多 | やや多 | ||
いちご | 炭疽病 | やや少 | 平年並 平年並 |
ハスモンヨトウ | 平年並 | やや多 | |||
萎黄病 | やや少 | 果 樹 | ナシヒメシンクイ | 平年並 | やや多 | ||||
トマト | 疫病 | 少 | やや少 | き く | ハダニ類 | 多 | 多 | ||
きゅうり | べと病 | やや少 | 平年並 | 白さび病 | 多 | 多 |
○斑点米カメムシ類対策は、除草が基本です | |
・ |
水田内や水田周辺の雑草は斑点米カメムシ類の発生源や本田内へ侵入するための中継点になりますので、除草を行うなどカメムシ類の生息しにくい環境をつくり、斑点米の発生を防ぎましょう。 |
・ | ホームページの「病害虫防除対策のポイントNo.14」を参照してください。 |
○農薬を適正に使いましょう! | |
・ | ミツバチやマルハナバチに対する安全日数を目安に薬剤を選択しましょう。 |
・ |
農薬を散布する場合には、周辺の人や農作物等にかからないように十分注意し、周辺住民に周知を図るとともに散布の時間帯にも気を配りましょう。 |
・ |
農薬を使用する場合は必ず農薬容器のラベルをよく読み、使用方法・使用上の注意事項を守りましょう。 |
1か月気象予報(予報期間6月19日から7月18日 6月18日気象庁発表) | |||
天気は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。向こう1カ月の平均気温は高い確率50%です。週別の気温は、1週目は高い確率80%です。2週目は高い確率60%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 20% | 30% | 50% |
○降水量 | 30% | 40% | 30% |
○日照時間 | 30% | 40% | 30% |
NEWS & INFORMATION | |
☆ |
7月14・15日に農薬使用者を対象とした「栃木県農薬管理指導士」等養成研修が開催されます(申請書などの受付期間は6月16日〜7月6日)。詳しくは、栃木県ホームページ「栃木県農薬管理指導士・ゴルフ場農薬適正使用士養成研修を開催します」を参照してください。 |
☆ |
県では、農薬による事故等の発生防止を図るため、6月から8月の3か月間を「農薬危害防止運動期間」とし、農薬に適正使用等について啓発活動を行っています。 |
☆ |
「平成22年度 農作物等病害虫雑草防除の手引き」のお求めは社団法人 栃木県植物防疫協会 にお問い合わせください。Tel (028)683-5533 Fax (028)683-5530 |
携帯サイトからも「ご意見・ご質問」が送信できるようになりました。 詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。 当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。 Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012 |