平成22年度 病害虫発生予報 第4号 |
平成22年7月23日 栃木県農業環境指導センター |
○カメムシ類、ハダニ類、コナジラミ類の多発が懸念されます。 |
予想期間7月下旬〜8月下旬 |
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 水稲 いもち病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや少ない(−)。 |
・ | 7月中旬までのBLASTAMによる感染好適条件は多い。(+) | |
・ |
向こう1か月の平均気温は高く、降水量は少ない見込みで、発生に不適な条件となっている。(−) | |
(3)対 策 |
・ |
葉いもちが見られる場合は、穂ぞろい期にアミスターエイト、ブラシンフロアブル、カスラブサイドゾル等の予防・治療効果の高い薬剤を散布する。 |
(4)備 考 |
・ |
植物防疫ニュース(速報No.6)「ほ場をよく観察して穂いもち防除を行いましょう」をホームページに掲載しました。 |
2 水稲 斑点米カメムシ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 |
・ |
7月上旬の雑草地すくい取りでは発生量は少〜平年並だが、カスミカメ類が広く発生している。(±) |
・ |
向こう1か月の平均気温は高く、降水量は少ない見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ |
穂ぞろい期に斑点米カメムシ類が水田内で見られる場合は、乳熟初期(出穂期7〜10日後)までにMR.ジョーカーEW、スタークル(スタークルメイト)液剤10等を散布する。 |
・ |
防除後も斑点米カメムシ類が見られる場合は、7〜10日間隔で1〜2回の追加散布を行う。 | |
(4)備 考 |
・ |
植物防疫ニュース(速報No.4)「カスミカメ類(小型の斑点米カメムシ類)が平年より広範囲で発生しています!」をホームページに掲載しました。 |
3 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生はやや多い。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ | 苗による本ぽへの持ち込みを防ぐため、育苗床での防除を適正に行う。 |
・ |
葉裏を注意深く観察し、発生を認めたら気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、コテツフロアブル、テデオン乳剤等を葉裏によくかかるように散布する。 |
4 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 |
・ ・ |
現在の発生は平年並である。(±) 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に不適な条件となっている。(−) |
(3)対 策 |
・ |
高温期には病徴が見えにくくなるが、病徴が見えない場合でも、この時期にタフパール[適用作物:野菜類]、ジーファイン水和剤[適用作物:野菜類]等で予防する。 |
・ |
発生が見られたら、ベルクートフロアブル、サンヨール等を散布し、本ぽへのうどんこ病菌の持ち込みを防ぐ。 | |
(4)備考 | ・ | タフパールは微生物農薬であるため、他の殺菌剤等との混用を避ける。 |
5 いちご 炭疽病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生はやや少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高く、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ | 強いかん水は発病を助長するので避ける。 |
・ | 被害株、被害茎葉及びランナーは見つけ次第取り除き、ほ場外で処分する。 | |
・ |
発生を予防するため、ゲッター水和剤(定植前日まで)、ベルクート水和剤(育苗期(定植前))等を散布する。 |
6 トマト コナジラミ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生はやや多い。(+) |
・ |
向こう1か月の平均気温は高く、降水量は少ない見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ | ほ場周辺の除草を徹底する。 |
・ |
タバココナジラミはトマト黄化葉巻病ウイルスを媒介するので、施設の開口部に0.4o目以下の防虫ネットを張り侵入を防ぐ。光反射シートや近紫外線カットフィルムも効果がある。 | |
・ |
今後定植する作型では、育苗期にベストガード粒剤、スタークル(アルバリン)粒剤を株元に施用する。 |
7 なし カメムシ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 |
・ | 現在の発生は平年並。(±) |
・ |
向こう1か月の平均気温は高く、降水量は少ない見込みで、発生に適している。(+) | |
・ |
主要な餌であるスギ、ヒノキの本年の球果量がやや少ないため、果樹園へ飛来する可能性がある。(+) | |
(3)対 策 |
・ |
4o目以下の多目的防災網を被覆し、園内への侵入を防ぐ。多目的防災網の隙間から侵入することもあるので注意する。 |
・ |
園内をよく観察し、発生が見られた場合はアグロスリン水和剤、スタークル(アルバリン)顆粒水溶剤等を散布する。 | |
(4)備 考 |
・ |
防除剤に合成ピレスロイド剤を多用するとハダニ・カイガラムシ類が多発しやすくなるので注意する。 |
8 その他の病害虫 | |||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | ||||||
水 稲 | 縞葉枯病 | やや多 | やや多 | な し | 黒星病 | 多 | やや多 | ||
いちご | 萎黄病 | 少 | 少 | ぶどう | べと病 | 少 | 少 | ||
トマト | 灰色かび病 | やや多 | 平年並 | 果 樹 | ハマキムシ類 | 少 | やや少 | ||
な す | アザミウマ類 | 平年並 | やや多 | き く | ハダニ類 | 平年並 | やや多 | ||
野菜類 | オオタバコガ | やや少 | 平年並 |
1か月予報(予報期間7月16日から8月16日 7月16日気象庁発表) | |||
天気は、平年同様に晴れの日が多いでしょう。向こう1か月の平均気温は、高い確率50%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 20% | 30% | 50% |
○降水量 | 40% | 30% | 30% |
○日照時間 | 30% | 30% | 40% |
○セイヨウオオマルハナバチの導入には許可が必要です! | |
・ |
セイヨウオオマルハナバチは、特定外来生物に指定され、飼養等が規制されています。規制の対象外である在来種マルハナバチへの切替えをしましょう。 |
・ | やむを得ずセイヨウオオマルハナバチを飼養する場合には、環境省の許可を取得してください。 |
具体的な手続きは、関東地方環境事務所Tel(048)600-0817までお問い合わせください。 | |
詳しくは外来生物法サイト(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)をご覧ください。 |
NEWS & INFORMATION | |
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県では6月から8月の3か月間を「農薬危害防止運動期間」と定め、農薬の適正使用や農薬使用による事故防止を推進する運動を行っています。 |
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「平成22年度 農作物等病害虫雑草防除の手引き」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会にお問い合わせください。Tel (028)683-5533 Fax (028)683-5530 |
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