平成22年度 病害虫発生予報 第6号 |
平成22年9月17日 |
栃木県農業環境指導センター |
○ハスモンヨトウの侵入に注意しましょう! |
○イネ縞葉枯病予防のため、早めに秋耕しましょう! |
予想期間9月下旬〜10月下旬 | |
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 野菜類・大豆 ハスモンヨトウ | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 野菜類、大豆で現在の幼虫発生量は多い。(+) |
・ | フェロモントラップによる成虫の誘殺数が多い。(+) | |
・ | 向こう1か月の平均気温は高く、降水量は少ない見込みで増殖に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ | 定期的にほ場をよく観察して早期発見に努め、発生を確認した卵塊や分散前の幼虫は寄生葉とともに摘み取り処分する。 |
・ | 施設栽培では、開口部に寒冷紗等を張り、侵入を防ぐ。 | |
・ | 今年の大豆には幅広いステージの幼虫が発生しているため、幼虫の発生が見られる場合は適確な防除をする。 | |
(4)備 考 | ・ | 幼虫は齢期が進むと薬剤が効きにくくなるので、発生初期に薬剤を散布する。 |
・ | 当センターホームページ「ハスモンヨトウ3齢幼虫の薬剤感受性検定」参照(適用作物注意)。 |
2 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 発生時期:やや遅い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は平年並。(±) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に不適な条件となっている。(−) | |
(3)対 策 |
・ | 軟弱徒長すると発生が多くなるので、適正な肥培管理を行う。 |
・ | 今年は高温のため初発が遅れると考えられるが、病徴が見えない場合でも、この時期にタフパール<適用作物:野菜類>、カリグリーン<適用作物:野菜類>等で予防する。 | |
・ | 発生が見られる場合はEBI剤、ストロビーフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。 | |
(4)備 考 | ・ | 育苗期に発生が見られた場合は、ほ場内に菌を持ち込んでいる可能性が高いので特に注意する。 |
・ | タフパールは微生物農薬であるため、他の殺菌剤との混用を避ける。 |
3 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量はやや多い。(+) |
・ | 向こう1か月の降水量は少ない見込みで、増殖に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ | 葉裏をよく観察し、発生がみられたら、早めに気門封鎖系薬剤をスポット散布して拡大を防ぐ。 |
・ | マルチをする前の下葉かきにあわせてテデオン乳剤、アファーム乳剤等を散布する。 | |
・ | スパイカルEX<適用作物:野菜類>等の天敵農薬を使用する場合は、放飼前に必ず防除を行い発生密度を低下させる。 | |
(4)備 考 | ・ | 植物防疫ニュース(速報No.8)「いちごのハダニ類の発生が平年より多く推移しています。本ぽ定植前に防除を行い、持ち込みを防ぎましょう。」参照。 |
4 トマト コナジラミ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 | ・ | 病害虫防除員の報告では、現在の発生量はオンシツコナジラミが平年並。(±)タバココナジラミがやや少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | ほ場周辺の除草を徹底する。 |
・ | タバココナジラミはトマト黄化葉巻ウイルスを媒介するので、施設の開口部に 0.4mm目以下の防虫ネットを張り侵入を防ぐ。光反射シートや近紫外線カットフィルムも効果がある。 | |
・ | 育苗期、定植時にベストガード粒剤、スタークル(アルバリン)粒剤を使用する。 | |
(4)備 考 | ・ | 近紫外線カットフィルム、粒剤は、マルハナバチに影響があるので注意する。 |
5 きく ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は多い。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 下葉や葉裏に多く発生するので、その部分に薬剤がよくかかるように散布する。生育初期から防除することでその後の発生密度を抑制できる。 |
・ | 葉裏をよく観察し、発生が認められたら、気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、マイトコーネフロアブル[適用害虫:ナミハダニ]、ダニサラバフロアブル<適用作物:花き類・観葉植物>等を散布する。 |
6 その他の病害虫 | ||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | |||||
大豆 | 吸実性カメムシ類 | 多 | 多 | にら | 白斑葉枯病 | 少 | 少 | |
フタスジヒメハムシ | 平年並 | やや多 | ねぎ | アザミウマ類 | 多 | やや多 | ||
いちご | 炭疽病 | 多 | やや多 | 黒斑病 | やや少 | やや少 | ||
アブラムシ類 | 平年並 | やや多 | 茎葉菜類 | オオタバコガ | 少 | やや少 | ||
なす | アザミウマ類 | 多 | 多 | くり | クリシギゾウムシ | 少 | やや少 | |
きゅうり | アザミウマ類 | 多 | 多 | きく | 白さび病 | 少 | 少 |
○イネ縞葉枯病、黄萎病 | |
・ | 再生稲での発生は次年度の伝染源になるので、早めに秋耕を行う。 |
○コムギ縞萎縮病 | |
・ | 農林61号、タマイズミは罹病しやすいため注意する。 |
・ | 土壌感染を防止するため、作業順序に気を配り、作業機の洗浄に心がける。 |
・ | 排水対策を行う。湿田では暗きょ等の積極的な対策を行う。 |
・ | 早播きすると発生しやすいので、播種適期内の遅めの時期に播種する。 |
○なし黒星病 | |
・ | 病原菌は、芽や落葉で越冬し翌年の発生源となるので、収穫終了後は必ず薬剤散布を行い、園内外の落葉を集めて適切に処分する。 |
○セイヨウオオマルハナバチの導入には許可が必要です! | |
・ | セイヨウオオマルハナバチは、特定外来生物に指定され、飼養等が規制されています。規制の対象外である在来種マルハナバチへの切替えをしましょう。 |
・ | やむを得ずセイヨウオオマルハナバチを飼養する場合には、環境省の許可を取得してください。 |
・ | 具体的な手続きは、関東地方環境事務所Tel(048)600-0817までお問い合わせください。 詳しくは外来生物法サイト(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)をご覧ください。 |
1か月気象予報(予報期間9月11日から10月10日 9月10日気象庁発表) | |||
関東甲信地方の天気は、数日の周期で変わるでしょう。平年に比べて晴れの日が多い見込みです。週別の気温は、1週目は高い確率が80%、2週目は高い確率が60%、3〜4週目は、高い確率が50%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 10% | 20% | 70% |
○降水量 | 40% | 30% | 30% |
○日照時間 | 20% | 40% | 40% |
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☆ | 「栃木県農薬管理指導士」養成研修会が11月15日、16日に栃木県総合文化センターにおいて開催されます。詳しくは農政部経営技術課環境保全型農業担当までお問い合わせください。 Tel(028)623-2286 |
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