平成22年度 病害虫発生予報 第9号 |
平成22年12月17日 栃木県農業環境指導センター |
○いちごのハダニ類とアブラムシ類の発生がやや多くなる予想です! |
○にらの白斑葉枯病の多発が懸念されます! |
予想期間12月下旬〜1月下旬 |
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は平年並もしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 | ・ | 軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。 |
・ | 発生を予防するため、硫黄粒剤によるくん煙を行う。 | |
・ |
発生初期にフルピカフロアブル、ダイマジン等を葉裏にもよくかかるように散布する。 |
2 いちご 灰色かび病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は平年並もしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ ・ |
今後、施設内が多湿となりやすく、発生に好適である。(+) ハウス内の低温多湿が発生助長要因となるので、下葉を取り除き風通しを良くするとともに、かん水は必要最小限にとどめる。 |
・ | 発病果実等は伝染源となるので速やかに取り除き、ハウス外で処分する。 | |
・ | 発生初期にフルピカフロアブル、セイビアーフロアブル20等を散布する。 | |
・ |
降雨が続いて湿度が高い場合は、ロブラールくん煙剤等の使用も効果的である。 | |
(4)備 考 | ・ | 灰色かび病は、収穫直前の果実に発病しやすい。 |
3 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや多い。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は、平年並もしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ |
発生が見られた場合、下葉かきを行い発生密度を下げ、エコピタ液剤等の気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、ダニトロンフロアブル、カネマイトフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。 |
(4)備 考 | ・ | 春先の多発を防ぐため、厳寒期に防除を適切に行うことが重要である。 |
4 いちご アブラムシ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は多い。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は、平年並もしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ |
発生が見られた場合、ウララDF、チェス顆粒水和剤等を発生場所によくかかるように散布する。 |
5 トマト 灰色かび病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 |
・ ・ |
現在の発生はやや少ない。(−) 今後施設が多湿となりやすく、発生に好適となる。(+) |
(3)対 策 | ・ | ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。 |
・ |
咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので速やかに取り除き、ハウス外で処分する。 | |
・ |
防除は予防を基本とし、暖房機を利用したボトキラー水和剤のダクト内投入を行う。 | |
・ | 発生初期に、カリグリーン、ポリオキシンAL水溶剤等を散布する。 |
6 トマト コナジラミ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は平年並もしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ |
生育に応じて葉かきを実施し、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は埋設やビニル袋等で密封し枯死させてから処理する。 |
・ | 施設内に黄色粘着トラップを設置し、コナジラミ類を捕殺する。 | |
・ | 粘着くん液剤等を定期的に散布し、コナジラミ類を低密度に抑える。 | |
・ |
タバココナジラミの発生が見られる場合は、ベストガード水溶剤、スタークル(アルバリン)顆粒水溶剤等を散布する。 | |
(4)備 考 |
・ |
ベストガード水溶剤は、散布後マルハナバチを放飼できるまでの期間の目安が10日なので注意する。 |
7 トマト 黄化葉巻病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや多い。(+) |
・ | 現在のコナジラミ類の発生量はやや少ない。(−) | |
(3)対 策 |
・ |
タバココナジラミの吸汁によって媒介されるので、タバココナジラミの防除を行う。 |
・ |
罹病株は伝染源となり、タバココナジラミの媒介により周辺ほ場への拡散も懸念されるので、見つけしだい速やかに抜き取り、土中に埋設するか、ビニル袋等で密封し枯死させてから処理する。 | |
(4)備 考 | ・ | 「病害虫対策のポイントNo.9」を参照。 |
8 にら 白斑葉枯病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや多い。(+) |
・ | 今後、施設内が多湿となりやすく、発生に好適となる。(+) | |
(3)対 策 | ・ | ハウス内が多湿にならないよう、日中に適度な換気を行う。 |
・ | 発生初期に、ストロビーフロアブル、ポリオキシンAL水溶剤等を散布する。 |
9 きく ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は少ない。(−) |
・ | 向こう1か月の平均気温は平年並みもしくは低い見込みである。(−〜±) | |
(3)対 策 |
・ |
発生が見られた場合、粘着くん液剤等の気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、コロマイト水和剤[適用害虫:ナミハダニ]、カネマイトフロアブル等を散布する。 |
10 その他の病害虫 | |||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | ||||||
いちご | 萎黄病 | やや多 | 平年並 | きゅうり | アザミウマ類 | やや多 | 平年並 | ||
コナジラミ類 | やや少 | やや少 | コナジラミ類 | 平年並 | 平年並 | ||||
トマト | 葉かび病 | 少 | 少 | にら | 乾腐病 | やや多 | 平年並 | ||
きゅうり | べと病 | 少 | 少 | ネダニ | 多 | やや多 | |||
褐斑病 | 平年並 | やや少 | きく | 白さび病 | 少 | 少 |
農薬を上手に使いこなしましょう! | |
☆ | ハウス内で農薬を散布するときは、午前中のうちに葉裏にも薬剤がよくかかるように散布する。 |
☆ | 同一薬剤の連用を避け、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。 |
☆ | 薬剤散布については、ミツバチ、マルハナバチに対する安全日数を十分考慮する。 |
1か月予報(予報期間12月11日から1月10日 12月10日気象庁発表) | |||
天気は、平年に比べ晴れの日が多い見込みです。週別の気温は、1週目は、高い確率が50%です。2週目は、低い確率が50%です。3〜4週目は、平年並みまたは低い確率ともに40%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 40% | 40% | 20% |
○降水量 | 40% | 40% | 20% |
○日照時間 | 20% | 40% | 40% |
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