植物防疫ニュース(速報No.12)
 
平成23年9月22日
栃木県農業環境指導センター
県南の一部でイネ縞葉枯病が多発しています!
 8月下旬〜9月上旬調査におけるイネ縞葉枯病の発生は、平年値に比べ発生ほ場率は並ですが、発病株率は多い状況でした(表1)。本年は、県南の一部で要防除水準(黄熟期の発病株率10%)を超えるほ場が見られました(図1)。中には発病株率が80%を超えるほ場もあり、減収も予想されます。
 本年の発病株率が多い要因は、ヒメトビウンカ第一世代幼虫の保毒率が県南の一部で高かったことや成虫の本田への飛び込み数が多かったこと(植物防疫ニュースNo.5)、その後の虫の個体数も多かったこと(8月上旬ウンカ類幼虫数平年比739%)等が考えられます。
また、多発ほ場では適切な防除が行われなかったこと(箱施用剤の不使用や適切な剤を選択しない等)も、発生を助長したと考えられます。
 黄熟期の発病株率が10%を超えるほ場が見られる地域では、縞葉枯病の防除が必要です。次年度に向けて適切な防除対策をとりましょう。
 
表1 イネ縞葉枯病調査結果



















※調査日:8月22〜24日・9月7〜8日
※調査ほ場数78 1ほ場300株調査
※平年値:H20年〜H22年の3カ年平均 図1 県内各地点の発生状況
【防除対策】
○再生稲や畦畔等の雑草地はヒメトビウンカの越冬場所となるため、速やかな秋耕や除草により越冬場所を減らし、密度を下げる。 
○縞葉枯病抵抗性品種「あさひの夢」の作付割合を増やす。
○罹病性品種(コシヒカリ、なすひかり等)を作付する場合は、ダントツ箱粒剤、アドマイヤー箱粒剤またはこれらを含む混合箱施用剤を使用する。 
※プリンス粒剤は、ヒメトビウンカの感受性が低下している地域があるため、罹病性品種への使用を避ける。 
詳しくは、農業環境指導センターhttp://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせ下さい。
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