植物防疫ニュース(速報No.14)

 

平成23年10月25日

栃木県農業環境指導センター

 

いちごのハダニ類の多発生に注意しましょう!

 

 

 当センターの10月のいちご本ぽ巡回調査の結果、ハダニ類が平年と比較して多発していました(平年比:ほ場率:302.4%、株率:281.6%、当センターいちご病害虫情報第5号参照)(図1)。

 気象予報では、今後一カ月の気温は高いと予想されており、さらにいちごハウス内はマルチ後に乾燥状態となるためハダニ類の増殖に好適です。今後は、生育に伴い葉数の増加や茎葉の繁茂により薬液がかかりにくくなり、さらにミツバチの導入や果実の収穫などが始まり薬剤散布しにくい時期となります。薬剤散布の効果が高い時期に防除を行いましょう。

 

 

【防除対策】

 

☆ハダニ類を見つけるためのポイント

  発生初期は特に下位葉で見られるため、葉裏をルーペ等でよく観察する。

  地表面と接した下位葉の裏側は薬剤がかかりにくく、ハダニ類が生き残り易い。特に、薬剤散布後は注意してハダニ類を探し、先端の細いもので軽くつついて生死を確認する。

  薬散後しばらくは、新葉の表面に新しい食害痕ができていないか注意する。カスリ状に色が抜けた食害痕があれば、発生が継続している可能性が高い。

 

☆防除のポイント

  発生初期には気門封鎖系薬剤をスポット散布して拡大を防ぐ。

  葉かき後の薬散は葉裏に薬剤がかかり易くなるため効果的である。

  株が大きくなり薬剤がかかりにくくなる前に防除する。

  スパイカルEX、スパイデックスなど天敵導入時には事前に薬剤散布を行いハダニ類の密度を下げる。薬剤は表1の天敵への影響を参考として選択する。

  薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。

  当センターホームページに掲載中のいちごのハダニ類の薬剤感受性試験結果を参考にする。

  ハダニ類発生ハウスからのハダニ類持ち込みを防ぐため、管理作業は未発生ハウスから行う。

 

 

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写真1 高密度で発生したハダニ類

 

図1 ハダニ類発生ほ場率・株率

 

写真2 ハダニ類による葉のカスリ症状

 
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表1 いちごのハダニ類に登録のある主要な薬剤(平成23年10月20日現在)

※薬剤の天敵への影響に関する資料はアリスタライフサイエンス社提供.

 

 

 

詳しくは、農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問合せ下さい。

また、当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用下さい。

(п@028−626−3086)