植物防疫ニュース 平成24年2月17日
(速報 No.18) 栃木県農業環境指導センター
イチゴうどんこ病の発生増加が懸念されます!
 2月上旬の巡回調査の結果、発生ほ場率は11.1%(平年6.2%)、発病株率は
0.9%(平年0.4%)で、2月の調査データとしては、過去10年間で発生ほ場率
は最も高い値、発病株率は2番目に高い値です(表1、図1)。
 胞子の発芽適温は20℃であり、空気伝染性病害で乾燥、多湿のいずれの状態でも発
します。気象予報によると、向こう1ヶ月の日照時間は平年並の見込みで、施設内の日
中の気温が上がり、増殖にやや適しているため、今後の発生増加が懸念されます。
表1
 
過去10年間におけるうどんこ病の発生ほ場率・株率

調査時期 ほ場率(%) 株率(%)
H24.2 11.1 0.9
H23.2 1.4 0.1
H22.2 8.6 0.2
H21.2 4.2 1.0
H20.2 11.0 0.9
H19.2 3.1 0.2
H18.2 7.3 0.3
H17.2 2.5 0.1
H16.2 11.1 0.6
H15.2 7.6 0.5
H14.2 4.8 0.2
1 防除対策     
(1)軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。
(2)現在発生が見えなくても今後発生する可能性があるため、硫黄粒剤でくん煙する。
(3)発病果実・葉等は、すみやかに除去し、ハウス外に持ち出して適切に処分する。
(4)発病した場合は、散布間隔を短くし、葉裏にも薬液がかかるようにていねいに散
  布する。
(5)曇雨天時は液剤の使用を控え、くん煙剤等を使用する。
(6)同一系統薬剤の連用を避け、系統の異なる薬剤とのローテーション散布を行う。
表2 イチゴうどんこ病に登録のある主な農薬(平成24年2月15日現在の登録状況)
系統名 薬 剤 名 希釈倍率等 使用時期/使用回数
無機化合物 硫黄粒剤 ※1       / −
DMI剤(EBI剤) パンチョTF顆粒水和剤 2,000倍 収穫前日まで/2回以内
サンリット水和剤 2,000〜4,000倍 収穫前日まで/3回以内
パンチョTFジェット ※2 収穫前日まで/2回以内
QoI剤(ストロビルリン系) アミスター20フロアブル 1,500〜2,000倍 収穫前日まで/3回以内
酸アミド系 アフェットフロアブル 2,000倍 収穫前日まで/3回以内
グアニジン系 ベルクートフロアブル 2,000〜4,000倍 収穫前日まで/2回以内
アニリノピリミジン系 フルピカフロアブル 2,000〜3,000倍 収穫前日まで/3回以内
※1 6〜16g/2000立方m(高さ2m、床面積1000u)
※2 くん煙室容積400立方m(床面積200u×高さ2m)当り50g
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012