植物防疫ニュース 平成24年3月16日
(速報 No.19) 栃木県農業環境指導センター
イチゴ灰色かび病が多発しています!
 3月上旬の巡回調査の結果、発生ほ場率は33.3%(平年13.5%)、発病株率
は5.1%(平年1.0%)で、3月の調査データとしては、過去10年間で発生ほ場
率、発病株率ともに最も高い値です(図1)。
 年明け後は、低温傾向で、平年より換気量が少なくなりました。1月下旬以降にまとまった降水量があったため、ハウス内の湿度が高くなり、発生が増加したと考えられます。特にチップバーンによる葉先の枯れた部位、古葉、収穫後の果梗、果実に灰色かび病が発生しています(写真1)。
 気象予報によると、向こう1ヶ月の気温は平年並から低く、降水量は平年並の見込みで、発生にやや好適な条件となっています。
                      写真1 果梗に発生した灰色かび病
防除対策     
(1)下葉を取り除き、風通しを良くするとともに、かん水は必要最小限にとどめる。
(2)発病部位(葉先の枯れ、古葉、収穫後の果梗、果実)は、伝染源となるので速や  かに取り除き、施設外で処分する。
(3)発病した場合は、散布間隔を短くし、葉裏にも薬液がかかるようにていねいに散
  布する。
(4)曇雨天時は液剤の使用を控え、くん煙剤等を使用する。
(5)同一系統薬剤の連用を避け、系統の異なる薬剤とのローテーション散布を行う。
表 イチゴ灰色かび病に登録のある主な農薬(平成24年3月14日現在の登録状況)
系統名 薬 剤 名 治療*1 希釈倍率等 使用時期/使用回数
ジカルボキシイミド系 スミレックス水和剤 □  2,000倍 収穫前日まで/3回以内
ロブラールくん煙剤 △  *2 収穫前日まで/4回以内
アニリノピリミジン系 フルピカフロアブル □  2,000〜3,000倍 収穫前日まで/3回以内
QoI剤(ストロビルリン系) アミスター20フロアブル ○  1,500倍 収穫前日まで/本圃:3回以内
酸アミド系 カンタスドライフロアブル □  1,000〜1,500倍 収穫前日まで/3回以内
ヒドロキシアニリド系
 ・フェニルピロール
ジャストミート
顆粒水和剤
2,000〜3,000倍 収穫前日まで/3回以内
*1 治療効果:○高い、□中程度、△小程度、空欄は記載なし(防除指針(薬剤特性概要)より)
*2 くん煙室容積300〜400立方m(高さ2m、床面積150〜200u)当り100g(50g×2個)
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。
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