植物防疫ニュース(速報No.3)                                                 
平成23年6月3日
                                        栃木県農業環境指導センター

早い梅雨入りでコムギ赤かび病の増加が懸念されます!
 
 5月第5半旬の赤かび病調査で、県南部の小麦ほ場の一部に赤かび病の発生を確認しました(写真)。その後、県央部の小麦でも赤かび病の発生が散見されています。
 5月27日に平年より12日早く梅雨入りし、同日発表の1か月予報では、今後、降水量は平年並〜多く、日照時間も平年並〜少ない見込みです。
 本年の麦類の出穂は平年より4日〜6日遅く、登熟も遅れています。登熟期に曇雨天が続くと赤かび病の発生が助長されることから、今後小麦ほ場で赤かび病の増加が懸念されます。追加防除により赤かび病の増加を抑えましょう。

     
写真 赤かび病が発生した小麦
◎ 防除のポイント               
・開花期防除で使用した薬剤と同系統の薬剤は避け、収穫前日数に留意して薬剤を選定する
・収穫作業時に赤かび病被害粒が確認されたほ場は、健全粒に混入しないよう必ず刈り分けを行う。
 
表1 赤かび病に登録のある主な薬剤(平成23年6月2日現在)
グループ名
 
薬剤名
 
作物名
 
希釈倍数
(散布液量)
使用時期
収穫前日数/使用回数
DMI剤
(EBI剤)



 
チルト乳剤25
 
小麦
 
1,000〜2,000倍
(60〜150L/10a)
3日前まで/3回以内
 
シルバキュアフロアブル
 
小麦
 
2,000倍
(60〜150L/10a)
7日前まで/2回以内
 
ワークアップフロアブル
 
小麦
 
2,000倍
(60〜150L/10a)
14日前まで/2回以内
 
QoI剤
(ストロビルリン系)
ストロビーフロアブル
 
小麦
 
2,000〜3,000倍
(60〜150L/10a)
14日前まで/3回以内
 
 
詳しくは、農業環境指導センターhttp://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせ下さい。
п@028−626−3086