植物防疫ニュース(速報No.7)

平成23年7月27日
栃木県農業環境指導センター

ハスモンヨトウ成虫が多く発生しています!


 当センターが実施するフェロモントラップによるハスモンヨトウ成虫の発生量調査で、7月下旬から誘殺数が大きく増加している。調査を実施している県内6地点中4地点で7月第5半旬の誘殺数が過去10年(栃木市は調査8年目)で最多となった。特に、大田原市では平年値の12.9倍、宇都宮市では同26倍であった。
 今後、成虫が大豆や野菜類、花き類に産卵し、孵化した幼虫による食害が懸念されるため、圃場をよく観察して対策を取ることが重要である。卵は卵塊として産卵され、表面は薄茶色の毛に覆われている(写真1)。孵化した幼虫は集団で食害し、やがて分散する(写真2、写真3)。野菜類・花き類とも育苗期間や定植直後に加害されると被害が大きい。幼虫は成長すると被害が大きく、薬剤が効きにくくなり防除が困難になる。

【防除対策】

・ 定期的な圃場の観察によって早期発見に努め、発生を確認した場合には卵塊や分  散前の幼虫は寄生葉とともに摘み取り処分する。

・ 発生が見られた場合、薬剤を葉裏にもよくかかるように丁寧に散布する。
・ 施設栽培では成虫の侵入防止のため開口部に防虫ネット等を張る(45mm目の  ネットが有効とされる)。また、施設のパイプ等の資材に産卵することもあるため  注意して観察し、卵塊を発見した場合には潰して除去する。
・ ほ場周辺の雑草は発生源になるため、雑草管理を徹底する。


   図1 ハスモンヨトウ成虫のフェロモントラップ誘殺数



























  写真1 いちご葉裏の卵塊   写真2 大豆の若齢幼虫    写真3 いちごの中齢幼虫

 ※ 当センターホームページにハスモンヨトウ3齢幼虫の薬剤感受性検定結果を掲載中。

詳しくは、農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問合せ下さい。
また、当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用下さい。
(п@028−626−3086)