平成23年度 病害虫発生予報 第1号 |
平成23年4月22日 |
栃木県農業環境指導センター |
○ ハダニ類、アザミウマ類が増加しているので防除を適切に行いましょう。 |
予想期間4月下旬〜5月下旬 | |
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 麦類 赤かび病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 向こう一か月の平均気温は平年並〜低く、降水量は少ない見込みで、発生に適していない。(−) |
(3)対 策 | ・ | 二条大麦は穂ぞろい期7〜10日後、六条大麦は開花始めと開花10日後、小麦は開花始めと開花10〜20日後に防除を行う。 |
・ | 登熟期の連続した降雨・曇天や不稔粒の発生が見られる場合は多発の恐れがあるので、追加防除を行う。 | |
(4)備 考 | ・ | 平成23年度植物防疫ニュース(速報No.1)「麦類赤かび病は適期に防除しましょう」を平成23年4月5日に発表。 |
2 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量はやや少ない。(−) |
・ | 向こう1カ月の平均気温は平年並〜低い見込みで、発生にやや適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。 |
・ | 発生初期にアフェットフロアブル、ベルクートフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。 | |
(4)備 考 | ・ | 親株床に病気を持ち込まないように本ぽの管理作業とは別に作業を行う。 |
3 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量はやや多い。(+) |
・ | 向こう1ケ月の降水量は少なく日照時間は多い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 発生密度が高くなると防除が困難になるので、発生初期に気門封鎖系薬剤をスポット散布してハダニ類を低密度に抑える。 |
・ | 下葉かき作業後にアファーム乳剤、マイトコーネフロアブル等を葉裏によくかかるように散布する。 | |
(4)備 考 | ・ | アファーム乳剤のミツバチへの安全日数は2日である。 |
・ | 雨よけ施設のいちご親株床では、ハダニ類の発生が多くなるので注意する。 | |
・ | 親株床にハダニ類を持ち込まないように本ぽの管理作業とは別に作業を行う。 | |
・ | 親株床に発生がみられる場合はランナー発生が多くなる前に、ハダニ類の初期防除を行う。 |
4 いちご、きゅうり アザミウマ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は多い。(+) |
・ | 向こう1ケ月の降水量は少なく日照時間は多い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 雑草はアザミウマ類の増殖源になるので、施設内外の除草を行う。 |
・ | 青色粘着板を設置し、発生状況を把握するとともに早期防除を行う。 | |
・ | 発生が見られた場合は、スピノエース顆粒水和剤、モスピラン水溶剤などをローテーション散布する。 |
5 トマト 灰色かび病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや少ない | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は平年並。(±) |
・ | 日中に換気が十分行われるようになるため、発病にやや不適となる。(−) | |
(3)対 策 | ・ | ハウス内が多湿にならないよう換気やかん水に注意する。 |
・ | 咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので速やかに取り除き、ゲッター水和剤、ベルクートフロアブル等を散布する。 |
6 トマト うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は多い。(+) |
・ | 向こう1カ月の平均気温は平年並〜低い見込みで、発生にやや適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 発生初期にテーク水和剤、アフェットフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。 |
7 なし 黒星病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 | ・ | 昨年の発生は生育前半は多かったが、後半は平年並だった。(±) |
・ | 向こう1カ月の平均気温は平年並〜低く、降水量は少ない見込みで、発生にやや不適である(−〜±) | |
(3)対 策 | ・ | 芽基部病斑は摘み取る。 |
・ | 2分咲きから落花直後に治療効果があるDMI(EBI)剤、チオノックフロアブル(トレノックスフロアブル)等を散布する。 | |
(4)備 考 | ・ | 昨年多発した園では、防除を適切に行う。 |
・ | DMI(EBI)剤は耐性菌の発生を防止するため、合わせて年2回以内の使用とする。 | |
・ | チオノックフロアブル、トレノックスフロアブルは同じ成分(チウラム)なので、総使用回数に注意する。 |
8 きく ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生量は多い。(+) |
・ | 向こう1ケ月の降水量は少なく日照時間は多い見込みで、発生に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 発生密度が高くなると防除が困難となるので、発生初期に気門封鎖系薬剤をスポット散布してハダニ類を低密度に抑える。 |
・ | ダニサラバフロアブル、コロマイト水和剤[適用害虫:ナミハダニ]等を葉裏によくかかるように散布する。 |
9 その他の病害虫 | |||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | ||||||
いちご | アブラムシ類 | 平年並 | 平年並 | きゅうり | コナジラミ類 | やや少 | やや少 | ||
コナジラミ類 | やや少 | やや少 | きく | アブラムシ類 | 多 | やや多 | |||
トマト | 葉かび病 | やや少 | やや少 |
水稲箱施用剤は地域の病害虫発生状況に合わせて選びましょう! | |
☆ | イネドロオイムシ・ヒメトビウンカ(縞葉枯病)・イネツトムシ ・昨年の水稲病害虫は、県中北部ではイネドロオイムシ、県南部ではヒメトビウンカ(縞葉枯病)、普通植栽培ではイネツトムシの発生が多く見られました。地域や移植時期によって病害虫の発生状況が異なることから、各地の発生状況に合わせて適切な箱施用剤を選びましょう。 ・平成22年度植物防疫ニュース(速報No.5)「県中北部でイネドロオイムシ幼虫による被害が拡大しています!」、(速報No.9)「ウンカ類幼虫の生息密度とイネ縞葉枯病の保毒虫率について」をご覧ください。 |
1か月気象予報(予報期間4月16日から5月15日 4月15日気象庁発表) | |||
向こう一か月の平均気温は、平年並または低い確率ともに40%です。降水量は少ない確率が50%です。日照時間は多い確率が50%です。週別の気温は、1週目は低い確率が60%です。2週目は低い確率が50%です。3〜4週目は平年並または高い確率ともに40%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 40% | 40% | 20% |
○降水量 | 50% | 30% | 20% |
○日照時間 | 20% | 30% | 50% |
NEWS & INFORMATION | |
☆ | 「平成23年度 農作物等病害虫雑草防除の手引き」は4月上旬に発行されています。お求めの方は、社団法人 栃木県植物防疫協会(028−683−5533)にお問い合わせ願います。 |
携帯サイトからも「ご意見・ご質問」が送信できるようになりました。 詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/)までお問い合わせください。 当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。 Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012 |