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平成23年度 病害虫発生予報 第8号 |
平成23年11月18日 栃木県農業環境指導センター |
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○施設栽培でハダニ類、アザミウマ類が多く発生しています! |
○トマト黄化葉巻病の発病株は必ず抜き取り処分しましょう! |
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予想期間11月下旬〜12月下旬 | ||
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。 |
1 いちご うどんこ病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は平年並み(平年比:ほ場率62%、株率77%)。(±) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、発生に好適な条件である。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。 |
・ ・ |
発生が見えなくても今後発生する可能性があるため、硫黄粒剤でくん煙する。 発生初期にストロビーフロアブル、ベルクートフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。 |
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2 いちご ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は多い(平年比:ほ場率258%、株率355%)。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、増殖に適している。(+) | |
(3)対 策 | ・ | ハダニ類は下葉にいることが多いので、必要に応じて下葉かきを行う。 |
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発生初期に気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、マイトコーネフロアブル、コロマイト水和剤等を葉裏にもよくかかるように散布する。 | |
(4)備 考 |
・ ・ ・ |
薬剤抵抗性の発達を防ぐため、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。 天敵導入前には予め防除を行い、ハダニの密度を下げておく。防除には、天敵に影響の少ない薬剤を選定すること。 当センターHPに「植物防疫ニュースNo.14」を掲載中。 |
3 いちご アザミウマ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は多い(平年比:ほ場率1222%、株率700%)。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込みで、増殖に適している。(+) | |
(3)対 策 |
・ ・ |
11月までは野外からの飛来が発生の主要因であったが、今後はハウス内での増殖が問題となり、特に2月ごろから顕著な被害が生じる。飛び込みが落ち着いたこの時期に、ハウス内にアザミウマ類が残らないよう、スピノエース顆粒水和剤やアーデント水和剤[ミカンキイロアザミウマ]などで防除する。 卵や蛹に対しては防除効果が劣るため、スピノエース顆粒水和剤による防除の約5日前にマッチ乳剤[ミカンキイロアザミウマ]などのIGR剤を予め散布しておくと防除効果が高い(宮城県農業・園芸総合研究所資料より)。 |
(4)備 考 | ・ | 当センターHPに「アザミウマ類の薬剤感受性検定」を掲載中。 |
4 トマト 灰色かび病 |
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(1)発生予想 | 発生量:平年並 | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生はやや少ない。(−) |
・ | 今後、ハウス内が多湿となりやすく、発生に好適な条件となっている。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。 |
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ここ2年は発生が多かったため、咲き終わった花弁や発病果、発病葉は、伝染源となるので早急に取り除き、施設外で処分する。 | |
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防除は予防を基本とし、暖房機を利用したボトキラー水和剤のダクト内投入による防除を行う。なお本剤は発病前からの継続した使用が効果的である。 | |
・ | 発生初期にフルピカフロアブル、サンヨール等を散布する。 | |
(4)備 考 |
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暖房機を利用したボトキラー水和剤のダクト内投入は、薬剤等で灰色かび病の発生密度を下げてから行う。 |
5 トマト 黄化葉巻病(TYLCV) | ||
(1)発生予想 | 発生量:やや多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は平年並(平年比:ほ場率98%)。(±) |
・ ・ |
向こう1か月の平均気温は高い見込みで、媒介虫であるタバココナジラミの増殖に適している。(+) 現在のコナジラミ類の発生量は平年並(平年比:ほ場率120%)(±)。 |
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(3)対 策 | ・ | タバココナジラミによって媒介されるので、タバココナジラミの防除を行う。 |
・ | 多くの雑草にタバココナジラミが寄生するため、ほ場内外の雑草を除去する。 | |
・ |
タバココナジラミの発生初期には粘着くん液剤[コナジラミ類]、サンクリスタル乳剤等の物理的防除剤で防除し、既発生ほ場ではアプロードエースフロアブル[コナジラミ類]、コルト顆粒水和剤[コナジラミ類]などをローテーション散布する。 | |
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罹病株は伝染源となるので、見つけ次第抜き取る。抜き取った株は放置せず、土中に埋設するか、ビニル袋などで密封し枯死させてから処分する。 |
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6 にら 白斑葉枯病 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は多い(平年比:ほ場率231%)。(+) |
・ | 向こう1か月の日照は少なく、降水量は多い見込みで、発生に適する。(+) | |
(3)対 策 | ・ | 施設内が多湿とならないよう、日中に適度な換気を行う。 |
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捨て刈りした葉は伝染源になるので、施設外へ持ち出し、土中に埋めるなど適切に処分する。 | |
・ | 発生初期にストロビーフロアブル、セイビアーフロアブル20等を散布する。 |
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7 きく ハダニ類 | ||
(1)発生予想 | 発生量:多い | |
(2)根 拠 | ・ | 現在の発生は多い(平年比:ほ場率386%、発生株率941%)。(+) |
・ | 向こう1か月の平均気温は高い見込み。(+) | |
(3)対 策 |
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下葉や葉裏にかけ残しがないように、薬剤を散布する。薬剤のかかり易い生育初期から抑えることで、その後の増加を抑制する。 |
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葉裏をよく観察し、発生が認められたら、発生初期には気門封鎖系薬剤をスポット散布するか、コロマイト水和剤[ナミハダニ]、スターマイトフロアブルなどを散布する。 | |
8 その他の病害虫 | |||||||||
現 況 | 発生予想 | 現 況 | 発生予想 | ||||||
トマト | うどんこ病 | やや少 | 平年並 | きゅうり | 褐斑病 | やや多 | 多 | ||
きゅうり | べと病 | 平年並 | やや多 | アザミウマ類 | 多 | 多 | |||
うどんこ病 | やや多 | 多 | きく | 白さび病 | 少 | やや少 |
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冬期の病害虫防除対策 | |
○ | イネ縞葉枯病、イネ黄萎病 |
再生稲での発生は次年度の伝染源となるので水田の耕起を早めに行いましょう。また、ヒメトビウンカやツマグロヨコバイ等は水田及びその周辺の雑草で越冬するので、密度を下げるため畦畔等の除草を行いましょう。 |
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1か月予報(予報期間11月12日から12月11日 11月11日気象庁発表) | |||
関東甲信地方の天気は平年と同様に曇りや雨または雪の日が多いでしょう。向こう1か月の平均気温は高い確率50%です。週別の気温は、1週目は平年並または高い確率40%、2週目は平年並みまたは低い確率40%、3〜4週目は平年並みまたは高い確率40%です。 | |||
低い(少ない)確率 | 平年並の確率 | 高い(多い)確率 | |
○気 温 | 10% | 40% | 50% |
○降水量 | 20% | 40% | 40% |
○日照時間 | 40% | 40% | 20% |
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詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。 当センター携帯サイト(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/keitai.htm)もご利用ください。 Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012 |