平成23年度 病害虫発生予報 第11号
平成24年2月17日
栃木県農業環境指導センター
○トマトの灰色かび病の発生が多くなっています!
○いちごのハダニ類、アザミウマ類、うどんこ病の発生が多くなっています!
予想期間2月下旬〜3月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠

 
現在の発生量は多い(平年比:ほ場率201%、株率225%)。(+)

 
向こう1か月の日照時間が平年並の見込みで、施設内の日中の気温が上がり、増殖にやや適している。(±〜+)
(3)対  策

 
ハダニ類は下葉にいることが多いので、必要に応じて下葉かきを行う。

 
気門封鎖系薬剤、マイトコーネフロアブル等を葉裏にもよくかかるように丁寧に散布する。
(4)備  考
 

 
当センターHPに植物防疫ニュース速報No.14「いちごのハダニ類の多発生に注意しましょう!」を掲載中。
2 いちご アザミウマ類
(1)発生予想   発生量:多い 
(2)根   拠

 
現在の発生量は多い(前年比:ほ場率1686%、株率950%)。(+)

 
向こう1か月の日照時間が平年並の見込みで、施設内の日中の気温が上がり、増殖にやや適している。(±〜+)
(3)対  策

 
雑草はアザミウマ類の増殖源になるので、施設内外の除草を行う。

 
発生初期から、マッチ乳剤[適用害虫:ミカンキイロアザミウマ]、スピノエース顆粒水和剤等を散布する。
(4)備  考


 
アザミウマ類は花に寄生するので、花の中をよく観察する。
マッチ乳剤はIGR剤なので対象は幼虫のみである。

 
当センターHPに植物防疫ニュース速報No.17「いちごのアザミウマ類の発生に注意しましょう!」を掲載中。
3 いちご うどんこ病
(1)発生予想   発生量:やや多い 
(2)根   拠

 
現在の発生量はやや多い(平年比:ほ場率179%、株率225%)。(+)

 
向こう1か月の日照時間が平年並の見込みで、施設内の日中の気温が上がり、発生にやや適している。(±〜+)
(3)対  策




 
軟弱徒長すると発生が多くなるので、適切な温度管理やかん水を行う。
発病果実等は伝染源となるので速やかに取り除き、施設外で処分する。

 
現在発生が見えなくても今後発生する可能性があるため、硫黄粒剤でくん煙する。

 
発生初期にアミスター20フロアブル、アフェットフロアブル等を葉裏にもよくかかるように散布する。
4 トマト 灰色かび病
(1)発生予想   発生量:多い
(2)根  拠
 
現在の発生量は多い(平年比:ほ場率220%、株率309%)(+)
厳寒期は施設内が多湿になりやすく、発生に適している。(+)
(3)対  策






 


 
生育に応じて葉かきを実施し、施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。また、植物体表面の結露は発病を助長するため、循環扇や暖房機等を稼働し、植物体表面の結露を除去する。

 
咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので速やかに取り除き、施設外で処分する。

 
防除は予防を基本とし、暖房機を利用したボトキラー水和剤のダクト内投入による防除を行う。なお、本剤は発病前からの継続した使用が効果的である。
発生初期に、カンタスドライフロアブル、ゲッター水和剤等を散布する。
(4)備  考
 

 
当センターHPに「平成23年度病害虫発生予察注意報第3号(トマト灰色かび病)」を掲載中。
5 トマト 黄化葉巻病(タバココナジラミ媒介)
(1)発生予想   発生量:多い 
(2)根   拠
 
現在の発生は多い(平年比:ほ場率795%、株率700%)。(+)
コナジラミ類の発生はやや少ない(平年比:ほ場率52%、株率14%)。(−)
(3)対  策





 
タバココナジラミの防除を行う。


 
罹病株は伝染源となり、タバココナジラミの媒介により周辺ほ場への拡散も懸念されるので、見つけ次第すみやかに抜き取り、さらに土中に埋設するか、ビニル袋等で密封し枯死させてから処分する。
施設内に黄色粘着板を設置し、コナジラミ類を捕殺する。

 
タバココナジラミの発生が見られる場合は、アプロードエースフロアブル、クリアザールフロアブル等を散布する。
 その他の病害虫
      現 況 発生予想       現 況 発生予想
  いちご 灰色かび病  多  多   きゅうり アザミウマ類  多  多
    アブラムシ類 平年並 平年並   にら 白斑葉枯病 やや多 平年並 
  トマト コナジラミ類 やや少 平年並     ネダニ類  多  多  
  きゅうり うどんこ病 やや多 やや多   きく 白さび病 やや少 やや少 
    褐斑病 やや少 平年並     ハダニ類  多  多  
春の病害虫防除対策
 ○水稲 イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ媒介)




 


 
縞葉枯病の多発が懸念される県南部(特に下都賀地域)で罹病性品種(コシヒカリ、なすひかり等)を作付する場合は、ヒメトビウンカ対策としてアドマイヤーCR箱粒剤、ダントツ箱粒剤またはこれらを含む混合箱施用剤を使用しましょう。

 
平成23年度病害虫発生予察注意報第2号(イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ媒介))を当センターHPに掲載中。
 ○水稲 イネドロオイムシ


 


 
前年発生が多く見られたほ場の周辺では、イネドロオイムシ成虫が多く越冬していると考えられます。成虫は5月下旬に本田への侵入を開始し産卵するため、被害が懸念されるほ場ではイネドロオイムシに適用のある箱施用剤を使用しましょう。
 ○いちご親株 ハダニ類・うどんこ病

 

 
定植する親株はハダニ類、うどんこ病がついていない株を選び、親株床には持ち込まないようにしましょう。
農薬を上手に使いこなしましょう!
ミツバチやマルハナバチに対する安全日数を目安に薬剤を選択しましょう。

 
農薬を使用する場合は必ず農薬容器のラベルをよく読み、使用方法・使用上の注意事項を守りましょう。

 
同一薬剤の連用による抵抗性の発達を防ぐため、異なる系統の薬剤をローテーション散布しましょう。 
1か月気象予報(予報期間2月11日から3月10日 2月10日気象庁発表)
 期間の前半を中心に気温が低い見込みで、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
 向こう1か月の平均気温は低い確率50%、週別の気温は1〜2週目は低い確率50%、3〜4週目は平年並または低い確率ともに40%です。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 50% 40% 10%
○降水量 30% 40% 30%
○日照時間 30% 40% 30%
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