セジロウンカ・トビイロウンカ
被害
セジロウンカの被害(初期)
トビイロウンカの被害(坪枯れ:初期)
発生生態
ア.種類
セジロウンカ成虫
セジロウンカ幼虫
(水面上では足を
一文字に広げる)
トビイロウンカの成虫・幼虫
(発生が多いと株元がすすけてくる。
幼虫は水面上では足を一文字に広げる)
イ.発生消長
セジロウンカの多発生パターン
トビイロウンカの多発生パターン
ウ.発生しやすい条件
○飛来時期が早く、その後も飛来量が多い。
○梅雨明け後に好天が続く。
○中生・晩生品種や遅植えで発生しやすい。
○沿岸部で発生が目立つ。
発生予察方法
ア.調査時期・場所
時期 : セジロウンカ 7月下旬〜8月上旬が調査適期。
トビイロウンカ 8月中旬、8月下旬〜9月上旬の2回調査を行う。
場所 :本田の中央部
イ.調査株数
25株程度 : ウンカ類はほ場中央部に発生が多く、畦畔に近い部分には発生が少ないため、中央部の5地点を調査する。
ウ.調査方法
(ア)払い落とし調査
イネの株元をたたいてウンカ類を
水面に落とし、発生量を調査する。
(イ)虫見板を利用した調査
イネの株元をたたいてウンカ類を
虫見板に落とし、発生量を調査する。
虫見板への付着状況によっては種類
が見わけにくいことがあり注意が必要。
ツマグロヨコバイ成虫
成虫(上が雌、下が雄)
ツマグロヨコバイ幼虫
ヒメトビウンカ成虫
ヒメトビウンカ幼虫
(水面上では足を
斜め横に広げる)
調査結果の診断と防除
ア.セジロウンカ(払い落とし調査)
イ.トビイロウンカ(払い落とし調査)
トビイロウンカの被害は中生・晩生の品種や遅植え、もち米で発生しやすいため、栽培品種・状況に合わせて調査を行う。
防除方法
ア.発生調査に基づく防除方法
(ア)防除が必要と診断されたら、登録農薬を用いて直ちに防除する
(イ)ウンカ類はイネの株元に生息しているため、薬剤防除を行う場合、株元に十分薬剤がかかるように心がける。
(ウ)薬剤防除時期が8月中旬以降になった場合、安全使用基準(収穫前日数)に注意して使用薬剤を選択する。
イ.予防防除及び耕種的防除法
(ア)天敵のクモは殺虫剤による影響を受けやすい。このため、調査結果の診断に基づいて必要以上の防除は控え、天敵を保護するように心がける。
(イ)ウンカ類は葉色の濃いほ場に発生しやすいため、稲の生育に合わせた施肥を行う。
(ウ)毎年、ウンカ類の発生が認められる地域では、ウンカ類に登録のある育苗箱施用剤を使用すると、ウンカ類の発生を少なくすることができる。