トマトサビダニのAculops lycopersici (Massee)】生態と防除対策について
 
 
<生態>
 トマトサビダニは1986年に沖縄県で初めて確認された侵入害虫で、温暖・乾燥条件を好み、生育最適条件は気温26.5℃、湿度30%とされています。虫体はクサビ型状で黄褐色、体長は0.18ミリ前後です。
 生活サイクルは、生育最適条件のとき、卵期間は2日、1齢幼虫の期間は1日、2齢幼虫は2日間で、卵〜成虫になるまで約6〜7日間かかります。産卵期間は、12〜32日で雌成虫は最高53個の卵を産みます。また、トマトサビダニは低温に弱く、0℃近い気温では数時間から数日で死亡するため、野外では越冬できません。
 
<被害と防除対策>
 初発時には、下葉の裏面が光沢を帯びた褐色に変わり、その後周縁部から枯死していきます。生息密度が高まり激発状態になると、株が枯れ上がり始め、果実も褐変し、表面には多数の亀裂が入り、さめ肌状になります。
 トマトサビダニに登録のある薬剤は次の通りです。(農薬適用一覧表2006年版より)
 
 
農薬名 使用濃度(倍)  使用回数
(以内)
使用時期
(収穫前)
アファーム乳剤 2000 5回 前日
モレスタン水和剤 1500〜2000 5回 前日
コテツフロアブル 2000 2回 前日
オサダンフロアブル 2000 1回 前日
イオウフロアブル 400 4回
ハチハチ乳剤 1000〜2000 2回 前日
マイトコーネフロアブル 1000 1回 前日
サンマイトフロアブル 1500 2回 前日
アプロードエースフロアブル 1000 3回 前日
コロマイト乳剤 1500 2回 前日
マッチ乳剤 2000 4回 前日


     

トマトサビダニによる被害状況:               被害葉:光沢を帯びた褐色となる。
生息密度が高まると、株が枯れあがり始める。




トマトサビダニ:くさび形状で黄褐色