麦類の赤かび病を発生させる病原菌のなかには、人や家畜に中毒症状を引き起こすかび毒(デオキシニバレノール:DON等)を産生するものがあり、農産物検査規格では、食用麦の赤かび粒の混入限度は全麦種で0.0%以下となっています。
赤かび病の発生した麦は商品価値がなくなるので、麦類赤かび病の防除を必ず実施しましょう。
今年産の麦類の生育は暖冬により早まっていましたが、3月下旬〜4月第1週目の低温により平年並に近づき、一部の地域では不稔粒の発生が懸念されるので注意が必要です。
気象庁の季節予報によると4月2〜4週目の気温は平年並の確率が30%、高い確率が40%と予想されています。麦の生育ステージに合わせて的確に防除を行いましょう。
◎ 防除対策の決め手は予防的防除 |
・麦の生育状況を良く観察し、適期を逃さない防除が重要
・六条大麦や追肥をした小麦(タマイズミ等)は、2回防除が基本 |
◎ 防除適期
麦 種
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基本となる防除 |
多発のおそれがある場合
(不稔粒発生や登熟期に曇りや降雨が多い場合) |
二条大麦 |
穂揃い期7〜10日後 |
1回目の7〜10日後に2回目散布 |
六条大麦 |
開花始めと開花10日後の2回散布 |
3回目散布 |
小 麦 |
開花始めと開花20日後の2回散布 |
3回目散布 |
◎ 平年並〜気温が1℃高く推移した場合の出穂予測 農業試験場(宇都宮市)4月2日現在 |
ミカモゴールデン(二条大麦): 平年より1〜3日早い |
シュンライ(六条大麦): 平年より1〜4日早い(出穂から開花始めまでの日数:5〜7日) |
農林61号(小麦) : 平年より2〜5日早い(出穂から開花始めまでの日数:5〜8日) |
表 麦類赤かび病に登録のある主な薬剤(平成21年4月2日現在) |
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薬剤名 |
作物名 |
希釈倍数 |
使用時期(収穫前日数)/使用回数 |
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トップジンM水和剤
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麦類(小麦を除く) |
1,000〜1,500倍 |
30日前まで/3回以内(出穂期以降は1回以内) |
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小麦 |
1,000〜1,500倍 |
14日前まで/3回以内(出穂期以降は2回以内) |
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シルバキュアフロアブル |
小麦 |
2,000倍 |
7日前まで/2回以内 |
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チルト乳剤25
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大麦 |
1,000〜2,000倍 |
21日前まで/1回以内 |
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小麦 |
1,000〜2,000倍 |
3日前まで/3回以内 |
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ストロビーフロアブル |
麦類(小麦を除く) |
2,000〜3,000倍
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14日前まで/3回以内 |
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小麦 |
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<無人ヘリコプターによる散布の登録がある薬剤> |
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薬剤名 |
作物名 |
希釈倍数 |
使用時期(収穫前日数)/使用回数 |
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チルト乳剤25
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大麦 |
8倍 |
21日前まで/1回以内 |
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小麦 |
8倍 |
7日前まで/3回以内 |
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トップジンMゾル
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麦類(小麦を除く) |
8倍 |
21日前まで/3回以内(出穂期以降は1回以内) |
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小麦 |
8倍 |
14日前まで/3回以内(出穂期以降は2回以内) |
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* |
同系統薬剤の連用を避け、収穫前日数に留意して使用薬剤を選定する。 |
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詳しくは、農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。п@028−626−3086 |
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