植物防疫ニュース(速報 No.8)
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平成21年11月 4日 |
栃木県農業環境指導センター |
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キュウリ新病害(退緑黄化病(仮称)、黄化えそ病)
の発生が拡大しています! |
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平成20年11月に佐野市、足利市で新病害の発生が確認されたため、12月に県内の促成栽培きゅうりでサンプリング調査を行ったところ、佐野市、足利市以外では発生確認されませんでした。
しかし、平成21年産夏秋きゅうり(6月〜9月)を調査した結果、キュウリ退緑黄化病(仮称)が小山市、黄化えそ病が上三川町、鹿沼市、小山市でそれぞれ確認され、新病害の発生地域が拡大しました(表1、図1)。
キュウリ退緑黄化病(仮称)を媒介するタバココナジラミバイオタイプQ及びB、黄化えそ病を媒介するミナミキイロアザミウマの天窓や出入口等からの侵入に注意し、以下の
防除対策を行い新病害の発生拡大を防ぎましょう。
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表1 キュウリサンプリング |
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調査結果(10月現在) |
市町名 |
採取株数 |
CCYV |
MYSV |
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宇都宮市
上三川町
日光市
鹿沼市
下野市
小山市 |
3
5
3
1
3
51) |
0
0
0
0
0
1 |
0
3
0
1
0
2 |
計 |
20 |
1 |
6 |
※CCYV:退緑黄化病(仮称)、
MYSV:黄化えそ病
1)CCYV・MYSV複合感染株1株 |
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図1 キュウリ病害発生地域
※●CCYV+ MYSV、◎MYSV
×未確認
※は既発生地域 |
両病害に共通の防除対策】 |
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(1)ほ場内及びほ場周辺の除草を行い、タバココナジラミ類、ミナミキイロアザミウマ
の生息場所を根絶する。
(2)ウイルス感染苗の持込みを防ぐため、苗に媒介虫が発生しないように十分注意し、
購入苗等では媒介虫がいないことを確認する。また、感染が疑われる苗は定植しない。
(3)育苗期から生育初期の感染は減収割合が高くなるので、この時期の媒介虫防除が重
要である。
(4)発病した株は速やかに抜き取り、埋設やビニール袋等で密封し枯死させてから処理
する。
(5)施設栽培では、収穫終了後は施設を蒸し込みし(高温処理)、残さに寄生している
媒介虫の拡散を防ぐ。
【キュウリ退緑黄化病(仮称)の防除対策】
(1)施設開口部に目合0.4mm以下の防虫ネットを張り、タバココナジラミ類の侵入
を防ぐ。また、近紫外線カットフィルムの利用や黄色粘着板の設置も有効である。
きゅうりのコナジラミ類に登録のある農薬(10月27日現在の登録状況)
系統名 |
薬 剤 名 |
希釈倍率等 |
使用時期/使用回数 |
ネオニコチノイド系
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スタークル粒剤 |
1g/株 |
育苗期/1回 合計 |
1〜2g/株 |
定植時/1回 1回 |
アルバリン粒剤 |
1g/株 |
育苗期/1回 合計 |
1〜2g/株 |
定植時/1回 1回 |
ベストガード粒剤 |
1g/株 |
育苗期/1回 合計 |
1〜2g/株 |
定植時/1回 1回 |
スタークル顆粒水溶剤 |
2,000倍〜3,000倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
アルバリン顆粒水溶剤 |
2,000倍〜3,000倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
ベストガード水溶剤 |
1,000倍〜2,000倍 |
収穫前日まで/3回以内 |
ピラゾール系 |
サンマイトフロアブル |
1,000倍〜1,500倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
【キュウリ黄化えそ病の防除対策】
(1)施設開口部に銀色の防虫ネット等を張るとともに、近紫外線カットフイルムや光反
射シート等を利用して、施設内へのミナミキイロアザミウマの侵入を防ぐ。
(2)青色粘着トラップを施設内に設置し、ミナミキイロアザミウマの早期発見に努める。
きゅうりのミナミキイロアザミウマ及びアザミウマ類に登録のある農薬
(10月27日現在の登録状況)
系統名 |
薬 剤 名 |
希釈倍率等 |
使用時期/使用回数 |
適用害虫 |
ネオニコチノイド系
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ベストガード粒剤 |
1〜2g/株 |
定植時/1回 |
ミナミキイロアザミウマ |
ダントツ粒剤 |
1g/株 |
育苗期後半/1回 合計 |
ミナミキイロアザミウマ |
2g/株 |
定植時/1回 1回 |
ミナミキイロアザミウマ |
ベストガド水溶剤 |
1,000倍〜2,000倍 |
収穫前日まで/3回以内 |
ミナミキイロアザミウマ |
その他 |
アファーム乳剤 |
2,000倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
ミナミキイロアザミウマ |
スピノエース顆粒水和剤 |
5,000倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
アザミウマ類 |
コテツフロアブル |
2,000倍 |
収穫前日まで/2回以内 |
ミナミキイロアザミウマ |
注 1)農薬はラベルの表示を確認して正しく使用する。
2)スタークル粒剤、アルバリン粒剤、スタークル顆粒水溶剤、アルバリン顆粒水溶
剤は同じ有効成分(ジノテフラン)なので、成分の総使用回数に注意する。
3)同一薬剤の連用を避け、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。 |
TEL028−626−3086 |
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ |
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